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「ツメ折り」ってなに? シャコタン&ツライチに必須のボディ加工は査定に影響ある!?

ツライチのフェンダー

ビチビチまで攻めた美しいツライチセッティング

カスタム派なら実践しているローダウンの仕上げ技「ツメ折り」って何?

 車種やカテゴリーを問わないお約束のカスタムとして、ローダウンやホイールのインチアップとセットで語られるツメ折り。この言葉自体は知っているものの意味まではよく分からない、といったカスタムビギナーも少なからずいることだろう。ここで改めて『ツメ折り』とはいったい何を指すのか、そして方法や注意点について解説したい。

ハードなローダウンには「ツメ折り」加工は必要不可欠

 手始めに自分のクルマが近くにあれば、フェンダーの内側に手を入れてみよう。大半は縁の部分が奥に向かって折り返されており、その部分がフェンダーの『ツメ』と呼ばれている。触ればわかるとおりツメはフェンダーの外面に対して直角に曲げられており、タイヤとホイールを交換し、ツライチに近付けるとフェンダーとの隙間が狭くなり、場合によってはタイヤのサイドウォールとツメ部分が干渉して傷を付けてしまい兼ねないのだ。

 それを防ぐためツメを上方向へさらに曲げるのが、いわゆる『フェンダーのツメ折り』と呼ばれる手法だ。もちろんノーマル車高や多少のローダウン、さらに余裕があるインセットならとくに心配する必要はなく、手間とコストをかけてツメ折りする必要はない。とはいえドレスアップ派にしてもチューニング派にしても、上級者は極端なローダウンや攻めたインセットが当たり前。それらを実現するために必要な加工が、フェンダーのツメ折りというワケだ。

DIYも可能だが作業はプロに任せるのがベター

 次はツメ折りの施工方法について触れたい。まずツメ部分に分厚い布を当てて鉄パイプを差し込み、クルマを前後させたり、プラスチックハンマーで叩いて曲げる力技が定番だったが、塗装が割れたりフェンダーが歪むなどの失敗も多く見られた。そこで開発されたのが専用のツメ折り機だ。タイヤを外してからハブに機械を取り付け、先端のローラーを動かしながらツメを折るのだ。

 ちなみにツメ折り機はそれほど高いアイテムではなく、インターネットで調べると5000~8000円くらいが相場。プロショップに依頼すれば1カ所につき7000~8000円、DIYすれば相当リーズナブルに感じるが早合点は禁物だ。

 ツメ折り機を使ってもフェンダーには大きな力がかかり、塗装が割れるリスクはほかの方法と大きくは変わらない。そのため専門店ではヒートガンと呼ばれる熱風が出る工具を使い、塗装面を温めて柔らかくした状態で丁寧に折り曲げるのが常識となっている。ヒートガンも有名メーカーの商品で5000~8000円と高くはないが、失敗すればフェンダーを交換したり鈑金塗装しなければならない。よほどDIYに慣れている人や作業を楽しみたい人ならともかく、リスクを考えればプロに頼んだほうが後悔せずに済むだろう。

仕上げの粗がなければ車両の査定に影響を与えることはない

 最後はツメ折りに関するネガティブな都市伝説の真偽を検証したい。よく言われるのは車両の買取りや下取りしてもらう際に、事故車と同じように扱われ査定が下がるという話がある。そこで中古車販売店のスタッフに聞いたところ、塗装の割れや錆びがあるケースは別として、ツメ折り自体は査定に影響しないという見解であった。

 もうひとつはボディの強度が落ちるという話。コチラも雑な処理が原因で錆びが広範囲に発生するような特殊な事例を除いて、ツメ折りがボディの強度にマイナスな影響を及ぼすことはないと考えていいだろう。

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