ローカルな目線でドイツのカーライフ事情をリポート
ドイツ在住で、モータースポーツを取材するため、クルマで東奔西走する池ノ内みどりさん。取材の合間に見つけた、日本とは違うカーライフ事情をリポート。今回は、DTM取材で訪れたサーキット、ニュルブルクリンクを紹介します。
クルマ好きなら誰もが憧れるニュルブルクリンク
フランクフルト空港からアウトバーンを走ること約2時間。ドイツ北西部のアイフェル地方の森の中に位置するのがニュルブルクリンクです。日本人には「ニュル」の愛称で呼ばれていますね。
世界中の多くの自動車メーカーが、このニュルの旧コース「ノルドシュライフェ」で、開発評価テストを重ねていることでも有名です。また、今年は第50回目の記念大会が開催された「世界一過酷な24時間耐久レース」と称される「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」が開催されるサーキットとしても知られています。一度はここを訪れてみたいと思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私にとってニュルは、毎年何度も訪れる大好きなサーキットのひとつで、何度来ても飽きることなく新鮮です。これからニュルの魅力を数回に分けてご紹介させて頂きたいと思います。
グランドスタンド裏はまさにテーマパーク!
今回はDTM(ドイツツーリングカー選手権)の取材で訪れました。迫力あるガチンコ対決が特徴のこのシリーズは、ドイツで長い歴史と人気を誇るレースのひとつです。
2019年には当時のクラス1規定の車両を用いて、日本の富士スピードウェイでスーパーGTとDTMの交流戦が行われたこともあり、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。DTMは2020年のクラス1終了をもって、GT3マシンへスイッチしています。
このレースウィークの土曜日には濃霧で長時間に渡ってディレイしていたため、パドックのフードトラックコーナーは大盛況! 焼きたてのピザやソーセージにポテト、クレープなど、色々なお店が並びいい匂いが充満していました。気温が14℃と非常に寒い日だったのですが、ファンの方たちはそんなことはお構いなし! ディレイ中にいったい何杯のビールのおかわりをされたんでしょうね。
グランドスタンド裏にある広いイベントコーナーには、レースウィークにはレースグッズを扱う店やDTMオフィシャルショップなどが並び、とても賑わいます。そのなかでも、みなさんのお目当てはやはりニュルのオフィシャルショップではないでしょうか。
お店に入るとすぐ、スイスのエミール・フライレーシングのレクサスRC F GT3の実車がディスプレイされており、まずはこれをみなさん写真に収められています。私も思わず1枚!
ニュルのコースレイアウトのステッカーはやっぱりマストアイテムですよね! 日本でも愛車に貼っておられる方をチラホラ見かけます。Tシャツやキャップをはじめ、さまざまなグッズが販売されており、思わずお財布の紐が緩んでしまいそうです。
メーカーワークスのショップやグルメなど誘惑がいっぱい
Audi SportやAMG、マイバッハなどのショールームなどもあり、BMW Mも2021年春に大きなショールームが入りました。各ショールームの中にもショップがあり、日本では見かけない商品があるかもしれませんね。
そのほか、さすがに観光地価格が残念なのですが、ドイツ名物のカリーヴルスト(焼きソーセージの輪切りにカレー風味のちょっとピリッとしたケチャップソース)とフライドポテトなどのスナック類や飲み物も購入できます。エリア内にはカート場や映画館、博物館もありますので、ショッピングの合間にアクティビティも楽しめるのも魅力ですね。
ニュルでは有名な24時間レースのほかにも、NLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)やADAC GTマスターズ、DTMのほか、トラックヘッドでレースをするトラックGPやオールドタイマーGPなど、シーズン中には多くのレースが開催されますので、ぜひレース観戦を絡めたご旅行をオススメします! 日本のレースのように華を添えるお美しいレースクイーンやそのファンの方たちは全く見かけませんので、レースの雰囲気は違いますが、それも含めて楽しんでみてはいかがでしょうか。
ちなみに「ニュル」という愛称は日本人が作り、日本人同士でしか通じません。現地では理解されませんので要注意です。