暴走事故のたび話題になる「シフトパターン悪玉論」
ハイブリッドカーが暴走事故を起こすたびに、その原因としてシフトパターンを挙げる人が多いようです。「シフトノブがセンターに戻るので、どの位置に入っているかわからないから」「マニュアル車のR(バック)の位置がD(ドライブ)だから」という議論がネットで飛び交っているのを眺めつつ、でも、たまたま借りたクルマで慣れてなくて間違えたのなら納得できますが、毎日乗っている愛車で間違えることはあるのだろうか……と思ってしまうのは私だけではないはずです。
じつは日米で左右逆パターンな「プリウス」
実際の話、マニュアル車にばかり乗っている人がいきなり「プリウス」(20系以降)に乗ると、間違えてしまいます。バックしようとして手首が勝手に右下に動いてD(ドライブ)に入れてしまう。ブレーキから足を離した瞬間に前に動いてビックリして急ブレーキ! という経験を、年に数回やります。ちなみに海外向けの左ハンドルのプリウスは、シフトパターンが左右逆になっており、アメリカでプリウスのレンタカーを借りると、最初に戸惑います。
マニュアル車時代のほうがシフトミスは頻発していた
シフト操作は、マニュアル車が多かった昔のほうが間違ったものです。なぜなら、バックの位置がクルマごとに違ったからで、初見殺しだったりします。それゆえ、シフトパターンの表示が道路運送車両法で義務づけられています。社外製のシフトノブに交換したときは、シフトパターン表示が無くなってないか気をつけてください(車検に通らなくなります)。
別のクルマに乗り換えたとき、バックの位置がわからなくて戸惑うことも。たいていの国産乗用車ならば右下がバックですが、輸入車では下に押して左上や左下というクルマが多いです。ローバーミニは右下ですが、シフトノブを上に引き上げて「R」に入れます。難しい……。
押して左上がバックでも、その下が1速というパターンもあり、トラックやバスのように1速はほとんど使わないというクルマに採用されています。トラックやバスは通常は2速発進のため、乗用車で1速に入れる感覚で2速に入れられるのです。また、スポーツカーでも1速が左下のものがあり、「ヒューランドパターン」や「ローバック」と呼ばれます。