キャンプデビューする前に読んでおけば役立つ先人達の失敗談
猛暑に翻弄された夏も終わり、快適なキャンプが楽しめる秋がやって来ました。待ちに待ったシーズンを迎え、これからキャンプを始めてみようと考えている人も多いのではないでしょうか。そこで、今回は初心者キャンパーが犯しがちなエピソードとして、先輩キャンパーたちの体験談を書き綴ってみたいと思います。キャンプにトラブルはつきものであり、それも楽しみのひとつ……と言いますが、未然にトラブルを防げるのであればそれに越したことはありませんので、参考にしていただければ幸いです。
付属品のペグで痛い目に合うのはお約束?
テントやタープを手に入れて「秋になったらキャンプを始めるぞ!」と意気込んでいる人は要注意です。最近はネットショッピングでお手頃なキャンプ道具が簡単に買える時代になりました。また、郊外には大型アウトドア専門店が続々と登場しているので、利用している人も多いと思います。しかし、注意してほしいのはテントやタープの防水性能やデザインに目が行き過ぎて、付属品の「ペグ」を疎かにしてしまうこと。
キャンプを始めて痛い目に合うのがペグであり「ハンマーで打ちつけたら曲がってしまった」「風が吹いたら抜けてしまった」というトラブルは、付属品のペグによるものが多いのです。ペグは安売りのテントやタープだけでなく、有名ブランドの商品であっても付属品は粗悪なものがほとんどで、テントやタープを購入する時には性能の良い堅牢なペグを購入することをおすすめします。
お気に入りのナイロンパーカーが穴だらけに……
やっちまった……の代表が火の粉によるウェアのダメージです。焚き火はキャンプの楽しいイベントですが、焚き火をすると薪がはぜ、飛び散った火の粉によってウェアに穴が開いてしまいます。気合を入れて新調したアークテリクスやパタゴニア、ノースフェイスのナイロンパーカーに穴が開いてガッカリ……なんてことにならぬよう、焚き火をするときにはダメージを受けても良いものや、火の粉に強いコットンやウール製のウェアに着替えましょう。化学繊維の衣服は火の粉に弱く、最悪の場合には簡単に引火してしまうので注意が必要です。
キャンプあるあるのナンバー1は忘れ物
気合を入れてキャンプ場に到着したものの「入れたはずの荷物がない」「せっかく用意したのに忘れてきた」という経験をしない人はいないはず。とくに多いのが、前日に仕込んでおいた料理の素材を冷蔵庫に入れたままキャンプに出掛けてしまい、「BBQをしようと思ったら肉がない!」というのもキャンプあるあるです。
また、キャンプ初心者に多いのが説明書を捨ててしまうこと。慣れてしまえば問題ないのですが、テントの説明書を捨ててしまったことでポールを差し込む位置や組み立てる順番がわからず、設営を何度もやり直すことになるのです。説明書はテントやタープとセットにしておき、キャンプに持って行きましょう。また、カトラリー(※カラトリーは誤用)の準備不足でカレーをフォークで食べることになった、トングを忘れて熱い思いをしながらBBQをした……なんてことにならぬよう、事前にチェックすることをお忘れなく。忘れ物をしないためには準備リストを書き出し、荷物を積む前にチェックする習慣をつけましょう。
秋のキャンプは気温差でガクブル状態になる?
秋のキャンプで多いトラブルが気温差による寒さ対策の準備不足。都会では暑いと感じてもキャンプ場は寒暖差が激しく、標高の高いキャンプ場では肌寒いほどの気温で驚くこともあるので注意しましょう。日中は快適でも早朝の冷え込みにガタガタと震え、辛い思いをしないためにも寒暖差に対応できる準備は必須。アウターやブランケットを多めに用意し、夜間や朝方の冷え込みに対応できるシュラフ、インナーシュラフを持って行くことをおすすめします。ちなみに標高と気温の関係は、標高が100m上がると0.6℃下がると言われ、海抜0メートルの東京で最高気温が20℃だった場合、1000mのキャンプ場では6℃低くなる14℃。朝晩の最低気温が15℃であればキャンプ場では9℃ということです。
薪に着火できずにモタモタしてしまう
キャンプ初心者に多いのが焚き火の火を着けられずにモタモタしてしまうこと。誰もが最初から上手に着火することはできません。こればかりは経験するしかないのですが、最初から難しい手段に挑戦してしまうのが初心者あるあるです。ファイヤースターターやフェザースティックを使いたい気持ちはわかりますが、まずは手軽な着火剤を使って焚き火の経験を積みましょう。そうすることで、薪の組み合わせ方や針葉樹、広葉樹の使い方が身に付くのです。もちろん着火剤を使っても、しっかりと手順を踏まなければ着火することはできません。細く乾燥した薪から徐々に太い薪を入れ、しっかりと空気が循環するように薪をくべる練習を行って下さい。
積んだ荷物が多くて必要なモノが取り出せない……
オートキャンプではクルマに荷物を積む順番が大切です。もちろん、道具の大きさや形を組み合わせて荷物を積むのは当然ですが、すぐに取り出したい荷物を荷室の奥に積んでしまうと苦労することになります。キャンプ場に向かうドライブで、クーラーボックスを最下段に入れてしまったために飲み物が取り出せなかった、お財布を入れたバッグが見つからずに途中のコンビニで慌ててしまった……ということになるのです。トランクに収納する荷物と、手元に置くべき荷物をしっかりと分別しておきましょう。
ヤバい、チェックアウトの時間に間に合わない! とならないために
キャンプ場を利用する場合はチェックアウトの時間を絶対に守ること。キャンプ場もホテルと同様、チェックアウトの時間を過ぎてしまうと延長料金が発生するばかりか、次に予約をしている人に迷惑をかけることも考えられます。初心者にありがちなのが、自分が予想していた撤収時間よりも手間取ってしまい、アタフタしてしまうことです。最後はラゲッジルームに荷物を押し込むように撤収し、家に戻ってからキャンプ道具を収納し直す “二度手間”になることも少なくありません。キャンプの経験が浅いうちは早めに行動することを心がけ、撤収の時間が余ったのならコーヒーでも淹れて余裕を楽しみましょう。