「スーパーヴェローチェ」の称号の価値とは
伝説のブローカーと美女のセールスレディが、毎回注目の中古車をピックアップ。ふたりのトークを読めば、現在の中古車相場や購入ポイント、クルマの来歴までわかります。第3回目は、中古相場が高騰中のランボルギーニ「アヴェンタドール」のなかでも特別なモデル「アヴェンタドールLP750-4スーパーヴェローチェ(SV)」を紹介します。
50馬力アップした自然吸気V12エンジン
ここは東京ベイエリア。工場や倉庫が立ち並ぶ地域に、一軒のガレージがひっそりと建っている。一見したところでは小さな倉庫にしか映らないガレージなのだが、扉を開ければ、その内部は桃源郷のごとく、素晴らしいスーパーカーやプレミアムカーの数々が次なる顧客を待ちながら潜んでいる。
このガレージの主は、かつて伝説のスーパーカーディーラーと呼ばれたブローカー。若き日には首都高アタックやゼロヨンで鳴らした猛者だったという噂もあるようだ
あるときそんな彼のもとに、うら若きナゾの美女が「押しかけセールスレディ」として居座ってしまった。彼女はクルマについてはまったくの素人ながら、ウンチクを垂れるばかりで売る気があるのかないのかも判らない社長の代わりに、天才的な営業センスと昭和&平成スタイルのトークで次々と入庫するクルマを売りさばいていく。
さて今夜はどんなスーパーカー、あるいはプレミアムカーが入庫しているのだろうか……?
社長「お~い、俺のアヴェンタドールSVどうした?」
美女「俺の、じゃなくってウチのお店の在庫車両でしょ。ワタシがみっちりテストドライブしたあとに、いつもの工場に点検整備お願いしちゃいましたよ」
社長「おいおい、まだ試運転もしてないんだぞ……」
美女「アヴェンタドールなら、この間LP700-4とピレリ・エディションを立て続けに売った時に、充分に乗ったんじゃないんですか〜?」
社長「両方ともキミがサッサとお客さん見つけちゃったから、ほとんど乗れてないよ~。しかもSVって、ゼンゼン別物なんだよぉ」
美女「たしかに羽根とかついてて、ノーマル版よりも見た目からしてゴイスーだし、アクセル踏み込んだ時の反応やサウンドも……」
社長「ゴイスーってさ……(苦笑)。それはさておき、エンジンは6.5リッターV12でLP700と基本は同じ。でも、最高出力の発生回転数がスタンダードモデルよりさらに150rpm引き上げられ、8400rpmで50ps増しの750psを生み出す。最大トルクは70.4kgmで標準型と変わらないんだけど、この大排気量にしてはキョーレツな8500rpmという最高許容回転数が示すように、とにかくエンジンを回せるようにした。で、パワーアップを図ったってワケさ」