高温多湿の日本では進化したエアコンの快適さが優先
しかし、現在は消滅とは言わないが、国産で採用する車種は確実に減っている。用意されたとしても開かない、ただのガラスルーフがほとんど。背景にある理由はさまざまで、まずはそもそも開けないということがある。輸入車勢で採用が多い理由は、日光浴文化で少しでも日を浴びたいからで、日本ではその逆。実際に使ってみると、高温多湿の日本には向かないことが実感できる。ただ、明かり採りとしては有効なので、はめ殺しのガラスルーフの採用が、ミニバンやSUVを中心に多いのはそのためだろう。
また、ユーザーに直接関係するところでは喫煙率の低下もあるように思える。車内でタバコを吸うときに外気導入にしてサンルーフを少しだけ開けると、圧の関係で煙は自然に車外に流れ出るのはとてもラクで、車内にニオイが残らないのは大きなメリットだった。
そのほか、車体的な問題としては衝突安全性や重心が高くなるなどがある。鋼板とガラス板を比べた場合、後者のほうが重たいので、それを頭部分に乗せているのは操縦安定性では不利だし、燃費にもハンディとなる。構造も水抜きの経路を作る必要があって、複雑になりがちだ。
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エアコンの進化などでルーフを開けずとも快適な現在のクルマには合わない気もするし、実際に付いていても結局は開けないなど、サンルーフ衰退も致し方なしといったところだろうか。