“Xの系譜”を継承する、久しぶりのDセグメントモデル
シトロエンとして久しぶりとなるラージセグメントモデルとなる「C5X」が登場した。セダン、ステーションワゴン、SUVを融合させたエクステリアや、“魔法の絨毯”の再来ともいうべき足まわりを備えた新たなフラッグシップモデルとは?
シトロエン久々のラージセグメント
シトロエンC5Xは、1974年に登場したCXに始まる“Xの系譜”を継承する、セダンのエレガンス、ステーションワゴンの実用性、SUVの力強さを融合させたというDセグメントモデルだ。シトロエンとしては久しぶりとなるラージセグメントモデルの登場は、発表前に公開されていたティザーサイトのアクセス数が記録的数値となるなど、多くの自動車ファンから注目を集めている。
特徴的なセダン、ステーションワゴン、SUVを融合させたエクステリアは、V字シェイプのライティングシグニチャーが特徴的な先進的スタイルに。先に登場したC4と共通する最新フェイスで、ブランドデザインの統一感が図られているのがポイントだ。
シトロエンらしい美しいフォルムのロングボディモデルに仕立てられており、大径ホイールとブラックのホイールアーチで力強さもアピールしている。
インテリアは、リヤクォーターにもウインドウを設けた広いガラスエリアで、開放感のある仕立てに。シトロエンの魅力のひとつである快適なシートには、ベースに低反発効果のある高密度ウレタンを使用し、表層部には15mmの厚さの柔らかなスポンジを挟むという、独自のアドバンストコンフォートシートを採用。高い姿勢保持性とコンフォート性能により、長時間の移動も快適だという。
足まわりは“魔法の絨毯”の再来
ラインアップは、最高出力180ps・最大トルク250Nmを発生する1.6リッターターボエンジンを搭載するシャイン(車両価格:484万〜530万円)と、プラグインハイブリッド(車両価格:636万円)をラインアップ。
プラグインハイブリッドはシャインと同じ1.6リッターターボに、110ps・320Nmのモーターをフロントに組み合わせ、システム総合出力を225ps・360Nmとした。12.4kWhのリチウムイオンバッテリーをリヤトランク床下に搭載し、EV走行可能距離を65km(WLTCモード)としている。
そして、足まわりには、シトロエンの真骨頂である“魔法の絨毯”とも形容されたハイドロニューマチックサスペンションの現代版ともいうべき、プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)を採用した。
これはショックアブソーバー内にセカンダリーダンパーを組み込むことで、従来のシステムでは吸収しきれなかったショックを抑えてフラットライドを実現させるというもの。
プラグインハイブリッドには、さらに進化したアドバンストコンフォート アクティブサスペンションを初採用している。こちらは速度域や路面状況に応じてダンパー内の油圧をコントロール、路面をまるで飛んでいるかのようなフィーリングを実現させているという。
スタイルはもちろん室内の雰囲気、ファンを虜にした“魔法の絨毯”の再来ともいうべき乗り心地。久方ぶりの登場となるシトロエン流フラッグシップは、シトロエンマニアはもちろん自動車ファンなら気になる1台に違いない。