三菱デボネア:浮上することのなかった「走るシーラカンス」
三菱のフラッグシップとして君臨し、初代は1964年から1986年まで作られた、「走るシーラカンス」としてお馴染み。見るからにクラシカルで、クラウンのライバルにもなりえない感じではある。強いて言うなら1986年に登場した2代目のほうが、クラウンをライバル視はしていた。
ただ、当時提携していたクライスラーとの絡みやヒュンダイでのノックダウンなど、背景にはさまざまな事情があった。FFで、このジャンルには欠かせないハードトップはなくてセダンのみというのも大きなハンディで、AMGモデルなどでテコ入れをしたが、不振に終わった。
マツダ・センティア:バブル末期に生まれた流麗サルーン
ルーチェの後継車として登場したセンティアは、1991年登場ということでバブルの影響を大きく受け、流麗なボディが特徴的だった。エンジンはV6のみで、2.5Lと3Lを用意していたことからも、クラウンというよりもセルシオやマジェスタ寄りの立ち位置だった。アンフィニ店では「MS-9」として販売されていたが、いずれにしてもヒットには至らなかった。
ライバルたちの屍を乗り越えてきたクラウンの偉大さが光る
以上、クラウンのライバルという点で各社の代表的なサルーンを紹介したが、バブルあたりで見るとさまざまなライバルが存在した。ホンダはレジェンドを中心として、弟分的なセダンを大量に発売。マツダも高級路線への転換を掲げて、センティア以外にも多くのセダンを投入したりしていた。また、トヨタのなかでも、マークII兄弟やマジェスタ、セルシオなど、身内ライバルが存在した。
1980年代から1990年代を中心に見てきたが、セダンがひしめきあっていて良い時代だったことがわかる。改めて見ても、やっぱりクラウンは偉大で、新型が今でも話題になるというのはすごいことだろう。