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自ら洗車する「ムーヴラテ」!? どうしてテールゲートに蛇口が? 個性的すぎるカスタムの全容とは

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏

レーシーだけではないアイデア

 また、リヤにはバックパネルに直接マウントさせたバーチカルウイングもセットしている。このウイングは、通常のGTウイングと違って、専用のアルミ製の板をボディに直接マウントするため強度が高いことで知られている。国内最高峰のツーリングカーレース「スーパーGT」では、多くのチームがバーチカルウイングを採用し、レース業界では常識化しているほどだ。

 そんなレーシーなウイングをこのムーヴラテはセットしているが、じつはこれも普通ではなかった。通常、アルミ製の板で製作するステーを極太のパイプを組み合わせて製作し、インパクトを高める工夫をした点が面白い。アングル組みしたパイプによってバーチカルウイングを表現している。

 さらに注目すべき点を紹介しよう。それがリヤゲートに取り付けられた水道の蛇口だ。ホースをつないで洗車道具が置かれているが、じつはダミーではなく、専用タンクと電動ポンプを搭載し、蛇口をひねれば実際に水が出る仕組みだ。

 実際オーナーに声をかけたとき、車両に取り付けたホースから水を出しながら洗車をしている最中であった。駐車場を使ったイベント会場では、まずお目にかかれない光景だったので声をかけた次第だ。

 一方、リヤに比べてフロントはわりとおとなしい仕様だった。だが、エアロパーツは装着されていて、Nデザイン製に加工を加えて前置きインタークーラーをセットしている。

 エンジン本体はノーマルだが、サクションパイプ等はアルミ製に交換、HPIレーシングタイプのエアクリーナーを大幅な加工を加えてセットしている。

* * *

 ノーマルのままでは物足りない、市販のアフターパーツをセットしただけでも満足できない。しかもそもそもムーヴラテ用のカスタムパーツが少ない。こうしたことから、アイデアと他車種からの流用加工を施してカスタムした、オーナーの想いが詰まった特別なムーヴラテであった。

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  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 1969年生まれ。某出版社でドレスアップ誌、チューニング誌の編集長を歴任。2006年に自動車・バイク専門の編集プロダクション株式会社バーニーズを設立。自動車専門誌をはじめ、チューニング、カスタム系、旧車、キャンピングカー、アウトドアに関する媒体を新たに立ち上げる。これまでの愛車は、セリカXX、スカイライン、AE86、AE92、シビック、スープラ、シルビア、180SX、ロードスター、RX-7、BMW850iなどなど。他にもセダン系、バン系、ミニバン系など数多くのクルマを乗り継いでいる。
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