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20年16万キロで「スカイラインGT-R」を完全分解! 「ニスモ大森ファクトリー」で上質なGTカー仕様になったR32デモカーとは

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TEXT: GT-R Magazine 野田航也  PHOTO: GT-R Magazine

  • ニスモが手掛けたR32GT-Rデモカーのフロント

  • カーボンアルミハニカムキット
  • ボディの分析
  • ワインディングを走行するニスモR32GT-R
  • ニスモが手掛けたR32GT-Rデモカーのフロント

可能な限り新品純正部品を投入し新車を超える完成度を誇る

 日産のモータースポーツ活動やカスタマイズパーツなどを手掛けるニスモ。同社の持つノウハウを注ぎ込み、2014年にR32 GT-Rのデモカーが生まれ変わった。日産自動車も協力し完成した、まさに「究極のR32 GT-R」と呼ぶにふさわしい1台を紹介しよう。

(初出:GT-R Magazine 133号)

ホワイトボディになるまで分解し徹底的に現状を把握した

 平成26(2014)年の「R32生誕25周年」を記念して、ニスモ大森ファクトリーが手掛けた「R32再誕プロジェクト」。GT-R Magazineとの共同企画として、当時、同店でデモカーとして活用してきた1994年式・R32VスペックII(走行16万km)をベースに、内外装ともに可能な限り新車のように甦らせることを念頭に製作が進められた。

 完全に分解してホワイトボディ状態にし、日産本社・車両実験部の全面的な協力を得て「車体ねじり剛性実験」を実施。これぞまさにワークスの成せる業である。現代の解析技術で20年・16万km走行したR32のボディ剛性が露わになった。

ボディの分析

 パーツ開発などで度重なるサーキット走行もこなしていたR32。その“ヤレ具合”を見極めた上で、効果的なボディ補剛パーツを開発していくというスタンスで製作が進められた。このR32で掲げた車両コンセプトは「大人のグランドツーリング」。普段の街乗りや高速道路での快適性と質感を高めながら、GT-Rらしい走行性能を持たせることがテーマだった。

コンセプトを実現するため上質さを高めるパーツを開発

 定番のストラットタワーバーや当時すでにリリースされていたパフォーマンスダンパーに加え、リヤシートバック開口部をカーボン製パネルで覆う「カーボンアルミハニカムキット」を独自開発。後に製品化され、多くのR32ユーザーの手に届けられた。

アルミカーボンハニカムキット

 また、室内には吸音・断熱効果の高いシンサレートなどを貼ることで「静粛性」も向上。大人が納得できるグランドツーリングカーを構築するため、さまざまなトライを重ねていったのだ。こちらも現在は「フロア吸音・断熱キット」として、同店でユーザーカーに施工が可能となっている。

 また、完全にボディを分解したこともあり、外装のみならずエンジンルームや車内などすみずみまでオールペイントを実施。すでに完成していた同店のR34デモカー(CRS)同様、R35GT-R純正色のダークメタルグレーに再塗装された。

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