スポーツモデルで4WDはもはや定番に
立ち上がりのトラクションやウエット路面での安定感など、サーキット走行においてさまざまなメリットがある4WD。これから手に入れてみたいと思う人に向けて、大がかりなメンテナンスを必要としない年式かつ200万円で買える車種をピックアップしてみた。
2ペダルが設定された「三菱ランサーエボリューションX」
まずは三菱ランサーエボリューションX。初代ランエボIがWRC(世界ラリー選手権)での勝利を至上命題として1992年にデビューして以来、モデルチェンジを重ねつつモータースポーツ界を席捲したのは改めて説明するまでもないだろう。
その最終進化型といえるのが2007年に登場したランエボXで、エンジンは従来の4G63からアルミ製で軽量な4B11に変更。4輪の駆動力や制動力を独立して電子制御する「S-AWC」により、280ps(マイナーチェンジ後は300ps)をロスなく路面に伝達する。
ボディはベース車こそギャラン・フォルティスだが、アルミ製ルーフの採用で軽量化と低重心を両立し、トレッドの拡大やオーバーハングの切り詰めなど、エボリューションの称号に相応しい完成度となっている。
中古車で狙い目なのはAT限定免許でも乗れるTC-SST。走行距離さえ妥協すれば150万円~が現在の相場で、MTより70~80万円も安くタマ数も豊富にある。2ペダルのATといっても伝達ロスが少ないうえにシフトチェンジも素早く、コースによってはギヤ比がイマイチなMTより速く走れる場合もあるという。
ランエボの永遠のライバル「スバル・インプレッサWRX STI」
ランエボとつねにライバルであり続けたスバル・インプレッサは、3代目となるGRBのWRX STIが200万円で射程圏内だ。発売されたのはランエボXと同じ2007年で、当初は5ドアのみだったがのちに4ドアも追加。熟成に熟成を重ねたEJ20は吸気と排気のポートや、タービンのコンプレッサー形状を見直すことで、308ps/43kg-mのハイスペックを達成している。
また「マルチモードDCCD」や「マルチモードVDC」など、最新の電子制御システムにより扱いやすさと安全性を高め、あらゆる路面コンディションで安定した走りが可能となった。さらに大きく張り出した前後フェンダーによるワイドトレッド化、空力を考慮した専用のリヤスポイラーやトルセン式LSD(リヤ)など、強烈なパワーとトルクに翻弄されないための装備が与えられている。
中古車は初期からラインアップされていた5ドアが90万円~とかなり割安になっており、2010年からの4ドアも走行距離が10万km前後であれば180~190万円で手に入る。