オラチオ・パガーニの手が加えられたパートは?
パガーニの仕事は、おもにボディのボトム部、そしてドアとリヤフェンダーを分けるパーテーションラインから始まるエアインテークの造形、あるいはエンジンカバーなどにも表れている。
彼はさらにリヤウイングの装着も考えたが、それを最終的に標準で採用しなかったのはファーストモデルを生み出した、マルチェロ・ガンディーニへの敬意によるものと考えることもできるだろう。
インテリアの使い勝手も大幅に向上した。手動式だった窓は電動式に変更され、ドライバー、パッセンジャーの両席ともにパワーアジャストが可能になった。ステアリングホイールのデザインも新デザイン。さらにはエアコンもより強力なものにリニューアルされている。
出品車は1988年式というから、25th アニバーサリーの中でも最も早い時期にデリバリーされたモデルとなるが、そのエクステリアやインテリアのコンディションはじつによく保たれている。オドメーターに表示されている走行距離はわずか8742km、また2022年3月に実施した最新のメンテナンスでは、エンジン整備、クラッチ調整、オイル交換、ブレード洗浄などが行われている。
ランボルギーニ・カウンタックの最終進化型たる25th アニバーサリー。その人気はやはり高く、会場では応札が繰り返されたが、最終的に51万ドル(邦貨換算約6900万円)という価格でハンマーは振り下ろされた。
ランボルギーニは2023年で創立60周年。カウンタックもすでに十分にクラシックな域に入ってきているはずなのだが、それを感じさせないのは、さすがにスーパーカーの頂点をデザインとエンジニアリングで極めたモデルだけのことはある。