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「DS」ブランドはなぜシトロエンから独立した? フランスが誇るラグジュアリーカーの血統を見直そう

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典/Stellantis/AMW編集部

21世紀に復活した「DS」モデルが好評を得てブランド独立

 このように華々しいエピソードを含めた豊かな歴史とアヴァンギャルドな精神は、今日もDSブランドのエンジニアとデザイナーのチームに息づいている。2009年にモダンDSシリーズの第1弾として発表された「DS 3」(2019年に販売終了)は、2代目シトロエン「C3」とプラットフォームを共有する個性的な3ドアハッチバック/2ドアオープンであった。発売当初は「シトロエンDS 3」の名で、その後DSブランドの独立に伴い、2016年モデルから車名が「DS 3」に。フロントのエンブレムも、ダブルシェブロンから「DS」のロゴに変更されている。

 DSシリーズの第2弾として2010年に投入された初代「DS 4」(同様に2015年までは「シトロエンDS 4」)は、シトロエン「C4」をベースとしたクロスオーバーモデルで、クーペらしさを追求したデザインを採用していた。

 同じく2011年から生産が開始された「DS 5」(名前については上記と同様)は、5ドアハッチバックとステーションワゴンの中間のようなデザインのクロスオーバーモデル。シトロエンはシューティングブレークのイメージも備えると説明していた、ユニークなモデルだった。

 なお、ヨーロッパに先立ち中国では長安PSA(長安汽車とPSAとの合弁会社)によってDSが独立ブランドとして展開され、DS 4S、DS 5LS、DS 6といった中国専売車種が順次投入された。

美しくエレガントなハッチバック、SUV、セダンを展開中

 DSオートモビルの現行ラインアップは、「DS 3クロスバック」(税込み408万4000円~)、2代目「DS 4」(税込み398万円~)、「DS 7クロスバック」(税込み536万円~)、そしてセダンの「DS 9」(税込み:655万円~)という4モデル。いずれのクルマにも、革新的かつ個性的で、エレガントでもあったクラシックDSの精神が受け継がれている。

* * *

 パリ生まれのブランドであるDSオートモビルのアトリエでは、男女を問わず情熱的なスタッフがフランスの美学である「サヴォア・フェール(匠の技)」を大切にしながら強いこだわりを持ち続け、妥協のないデザイン開発を行なっているという。今後もアヴァンギャルドな精神を結集して開発された魅力的なクルマたちが、次々と登場することになるだろう。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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