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今さら聞けない「スプリング」の基礎知識を2分で解説! 「バネレート」だけでは語れない深遠なるバネの世界とは

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TEXT: 加茂 新(KAMO Arata)  PHOTO: 加茂 新/写真AC/AMW編集部

メーカーごとの特性を活かすとチューニングがさらに進化する

 この固有振動数はスプリングメーカーによっても異なり、同じ長さで同じバネレートでも、固有振動数が多めのメーカーもあれば少なめのメーカーもある。

 近年では「ハルスプリング(HALsprings)」のように、低反発/中反発/高反発と異なるモデルをラインアップしているメーカーもある。

 ほかにも、バネレートの特性にこだわるメーカーもある。アメリカ製の「ハイパコ(HYPERCO)」はそのレートの安定性にこだわっている。

 通常バネは縮み始めはややバネレートが低く、沈むごとにバネレートが高くなっていきやすい。あえて、沈み始めは柔らかい乗り心地を確保して、奥に沈むほど硬くなる特性を目指すこともある。

 しかし、HYPERCOではレートが変化していくとレースの世界ではセッティングが決めにくいという考えから、沈み始めからたくさん縮んだところまで、ほぼ同一レートになるようにこだわって設計している。

* * *

 このようにカタログ数値だけ見ると同じようでも、スプリングそれぞれ設計思想が異なるので、どのメーカーが良いとか悪いという問題でもない。そういった特性を活かすべく、あえて前後で異なるメーカーのバネを使うチューナーも少なくない。

 車高調の乗り味を変えるのに、同じレート、同じ長さでスプリングメーカーだけを変えてみるという楽しみ方もある。さらにその先には長さも選べる。奥深きバネの世界はバネレートだけではない、壮大な深さがあるのだ。

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  • チューニングライター。1983年生まれ。父が初代VWゴルフ、シトロエンBX、ZXなどを乗り継いでいた影響で16歳で中型バイク(ZRX400)を購入し、大阪芸大時代にAE86を購入。卒業後はチューニング&ドラテク専門誌を15年間製作し(約2年の編集長を含む)、数多くのレースにも参戦。2021年春よりフリーランスとなる。過去には180SX、S15、NA8、SCP10、86前期&後期を所有。現愛車はAE86、GR86、ZC33Sスイフトスポーツ、CBR954RR。
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