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なぜ2世代も前のスバル「サンバー」が今なお愛されるのか? 「WRブルーマイカ」の限定車を京商のミニカーで振り返ろう

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循/SUBARU

スバル製として最後の軽トラとなった6代目「サンバー」

 ミニカーやプラモデルなど自動車模型の世界では、今も昔もレーシングカーやスポーツカー、あるいは高性能なGTやセダンが定番アイテムであるが、その一方でトラックやバス、建設機械など、いわゆる「はたらくクルマ」の人気も高く、そのミニチュアモデルも少なくない。そのなかでもとくに目にするのが、先々代(1999年~2012年)のスバル「サンバー」のミニカーだ。現行モデルではなく、2世代も前の軽トラックが、なぜいまだに多くの模型メーカーから新製品としてリリースされるのだろうか。

技術至上主義の「富士重工」らしい軽トラの血統

 ダイハツ「ミゼット」やマツダ「K360」に代表される軽オート三輪に代わって普及した軽トラックは、各メーカーがそれぞれの個性を競い、わが国独自の発展を遂げてきた。

 なかでも1961年に初代がデビューしたスバル「サンバー」は、「スバル360」由来のトラクションに優れるリヤエンジン、積荷に負荷をかけない四輪独立懸架を備えるなど、航空機メーカーをルーツに持つスバルならではの技術的な特徴と、キャブオーバー型トラックならではの荷台の広さで多くの支持を得た。全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会(いわゆる赤帽)専用に生産された「赤帽専用サンバー」など、酷使にも耐えるプロフェッショナル仕様車の存在も有名だ。

 1966年には2代目、1973年に3代目、1982年に4代目、1990年に5代目、1999年に6代目……と進化を続けたサンバーは、前輪ベンチレーテッド・ディスクブレーキや直列4気筒エンジンをいち早く採用。また、他社にさきがけて四輪駆動モデルをバリエーションに加えるなど、いかにも技術至上主義の「富士重工」らしい歴史を紡いできた。

 そしてリヤエンジン・四輪独立懸架という基本レイアウトは初代のデビュー以来不変。そんなサンバーのありようは、あのポルシェ「911」の進化にも例えられた。

 しかし、スバルは2012年に軽自動車の開発・生産から撤退。ご存知の通り2012年以降の「スバル・サンバー」はダイハツの「ハイゼット・カーゴ/ハイゼット・トラック」をベースにしたOEM供給モデルとなって現在に至る。

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