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トヨタ新型「シエンタ」とホンダ「フリード+」を徹底比較! アウトドアでの使い勝手を検証しました

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TEXT: 青山尚暉(AOYAMA Naoki)  PHOTO: トヨタ/本田技研工業/モデリスタ

大人2名+子どもといった乗車スタイルであれば荷物もたくさん詰める

 まずは荷物の積載性だ。アウトドアでは食材や飲み物が氷とともにどっさり入ったアイスボックスなど、重い荷物も多くなりがちだが、その出し入れの容易性をはかるのが、荷室の開口部地上高。新型シエンタは565mm(先代は530mm/ハイデッキ状態610mm)と、世界のステーションワゴンの平均値620mmより遥かに低い。

 しかし、ホンダ流のロングテールゲート&超低床フロアを採用するフリード+の荷室開口部地上高は335mmと極端すぎるほど低く、重い荷物の出し入れはより楽々になるはずだ。

 では、実際に荷物を積み込む荷室フロアの寸法はどうか。新型シエンタは後席使用時の奥行き840mm、最大幅1265mm、天井高1055mm。後席をフラットに格納したフラットラゲッジモード時では最大荷室長2045mm(ベッド化したときのフロア長ではない)だ。なお、フリード+に標準装備される、荷室を上下に分けるラゲッジアッパーボードセットは4万1800円の純正アクセサリー扱いとなる。

 荷室を上下に分けるユーティリティボードが標準装備されるフリード+は少しややこしく、後席使用時の奥行きは1035mm、ボード面890mm。最大幅はボード下が670mm、ボード面1270mm。天井高は最大1360mm。ボード面975mm。後席ダブルフォールディングによる最大荷室長1890mmだ。

 実際、ユーティリティボードをセットした状態で荷室から前席背後までをフラットアレンジし、大人2名と小型犬1頭で車中泊をした経験もある。床面のフラット度、寝心地の良さ、ベッドルーム!? の天井の高さ、ルーフラックやプライバシーシェードなど多彩な純正アクセサリー類にも満足できた。

 荷室部分をさまざまなスタイルにアレンジできるユーティリティフックは新型シエンタには最大6カ所、フリード+は最大20カ所である。

 大人2名+子どもといった乗車スタイルであれば、大容量ワゴンと呼べる両車だけに、どちらもアウトドアの荷物をしっかりと積み込むことができる。また、大人でも真っすぐに横になれるベッド長を実現するシートアレンジを備えているため車中泊も可能だが、重い荷物の出し入れのしやすさ、荷室を上下に分けられるデッキボードの標準またはオプションという違い、天井高の高さの余裕といった点では、フリード+が有利と見ていいかもしれない。

 車内をベッド化するために不可欠な、ジャストサイズの純正マットレスは、両車ともに2万2000円でピタリと同じ価格で用意されているが(フリード+用は幅1230mm×長さ1800mm、厚み30mm。新型シエンタ用はモデリスタ製の汎用品で幅610mm×長さ1950mm。コンパクトに畳めるのは新型シエンタ用のほうだが、ふたりでも寝られるのはフリード+用)。

 よりアウトドア、車中泊向けの純正アクセサリーが充実しているのは、現時点ではフリード+のように思える。

 ただし、フリード+になくて、新型シエンタのHV車にある、アウトドア(や災害時など)で大活躍してくれるアイテムが、車内外でコーヒーメーカーや簡易電子レンジなどが使えるようになるAC100V/1500Wコンセント。

 新型シエンタのHV車なら4万4000円のオプションとして用意されていて、車内外で電源を必要とするユーザーにとっての優位点となる。

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