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日産自動車も開発に参加! ニスモのノウハウを注いだデモカー「R35GT-R CRS」の本気度とは

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TEXT: GT-R Magazine 野田航也  PHOTO: 増田貴広/NISMO

  • ニスモR35GT-R CRSの走り

  • ニスモR35GT-R CRSの走り
  • R35 GT-R CRSのリヤビュー

レースマシンのノウハウも注入! 車格と性能に見合う専用パーツ

 第2世代GT-R全車の「CRS」を提案してきたNISMOは、2017年からいよいよ「R35」にもそのコンセプトを注入開始。すでに新車特別保証が切れた初期型(MY08)~中期型(MY11)をターゲットとしたパーツをリリースした。

 メニューはエアロ/エンジン/サスペンションの3つ。ノーマルの時点でスーパーカーレベルの性能を有しているR35だけに、開発にも相応のノウハウを投入する。

(初出:GT-R Magazine 150号)

R35GT-R開発チームとタッグを組み完成させたエアロパーツ

 新開発のオリジナルエアロに関しては、スーパーGTに参戦するGT500クラスマシンやGT3マシンの開発を手掛ける同社のチーフエアロダイナミシストである山本義隆氏と、日産自動車のR35デザインチームのコラボで設計された。CFDでの解析シミュレーションを経てデザインされたエアロは、サーキット走行での性能確認も実施。最高速度が270km/hを超える富士スピードウェイで、ダウンフォースの確認や走行時の歪みなども解析された本格派だ。

R35 GT-R CRSのリヤビュー

RB26で人気の「S1」エンジンの名をR35のVR38にも継承

 エンジンはRB26DETT同様、「S1」と名付けられたVR38用のエンジンメニューを確立。こちらは距離を重ねた際のオーバーホールも想定したメニューだ。エンジン本体を分解リフレッシュした上で、アクチュエーターが変更されているMY11純正タービンやGT3マシン用に開発したカムシャフト、専用ECM/TCMが組み込まれる。スペックこそ公表されていないものの、最高出力はMY17の基準車並み(570ps)、最大トルクはGT-R NISMO並み(652N・m)を目指して開発されているという。

サスペンションは市街地も快適な仕様と本格サーキット仕様と2種用意

 サスペンションは用途に応じて2タイプを設定。ひとつは劇的に乗り心地が改善されているMY17のエッセンスを取り入れた「MY17バージョンアップサスペンションキット」で、こちらはMY17純正のバネ/ダンパー/減衰力コントロールモジュールを流用し、これにNISMOオリジナルのフロントアッパーリンクセットと前後スタビライザーを加えたキットとなる。

 初期~中期モデルと比べ、街乗りでの快適性が劇的に良くなると同時に、プロドライバーによるサーキットでの性能確認もクリア。第2世代Rと同じように、CRSのコンセプトもしっかりと投影されている。

 もう一つのサスペンションとして設定したのが、より本格的にサーキット走行を楽しむユーザーに向けた「NISSAN GT-R(R35)用スポーツサスペンションキット」である。GT3マシン用に開発され、GT-R NISMO N Attack Packageにも採用された『オーリンズ』製の4wayタイプダンパーがベースで、タイムアタックなどサーキットでの走りを重視するハイエンドユーザー向けのキットとなる。NISMOでは引き続きR35用のパーツ開発を進行中であり、今後の動向から目が離せない。

(この記事は2019年11月30日発売のGT-R Magazine 150号付録小冊子「NISMO CRS 10年の奇跡」に掲載した記事を元に再編集しています。デモカーの仕様などは取材当時のものです)

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