ワイスピの盛り上がりに比例して生まれた「スポコン」
2001年、カーアクション映画『ワイルド・スピード』が公開されたと同時に人気がうなぎ上りになった「スポコン」スタイル。このアメリカで生まれたカーカルチャーは、スポーツカーだけではなく、ミニバンやワゴンにも波及した。そこで当時の盛り上がりを、2003年に発行の『ワゴニスト』から振り返ってみよう。
ド派手なグラフィックに、本格的なチューニングとドレスアップを思いっきり楽しめるスポコンメイク。『ワイルド・スピード』1作品目が公開された当時は映画の登場車両よろしく、スポーツ系の車両が盛り上がっていた。しかし、『ワイルド・スピード2』が公開される2003年頃には、ワゴンをベースにアレンジする日本のユーザーも増殖。本場アメリカにも負けない日本ならではの、そしてワゴンならではのスタイルも徐々に増えていった。
外装は思い切って派手に魅せるのがスポコン流!
スポコンで選ばれるエアロはスピード感溢れるシャープでスポーティなデザインが重宝されるパターンが多く、それに組み合わせて全塗装やカーボンアイテムを採用し、スポーティなスタイルを構築していった。
当時は「バイナルグラフィック」がこのスポコンメイクのキーアイテム。「バイナルグラフィック」とはボディサイドやボンネットに大胆に貼れる大きなステッカーで、これらを駆使して派手に着飾るのがスポコン流であった。
デザインパターンも100種類以上を揃える施工ショップも存在し、鮮やかなボディカラーと組み合わせて、個性溢れるスポコンメイクを下支えした。他にもヘッドライトやテールランプのブラッシュアップも人気があって、ヘッドライトならプロジェクター化できるキットや、テールランプなら赤白カラーが人気のユーロテールに変更するオーナーも多数存在。ヒカリモノとしてはボディの底面にネオン管やLED管も支持されたメイクのひとつだった。
鮮やかに色使いが目を惹くインテリアメイク!
そして鮮やかなインテリアメイクもスポコンメイクの醍醐味だ。バケットシートを4脚セットしたり、凝ったオーディオメイキング、インパネや内装の張り替えは、今見ても新鮮だ。またダミーのNOSのタンクやオートメーターを奢るのも、スポコンメイクでは多く見られた事例だ。
走りの要素を感じさせるスタイリングだけにもちろん、ステアリングはスポーツタイプ、フットペダルもメタル製へと置き換えるユーザーも多かった。
当時は、bBやフィットといったコンパクトカー勢が主流だったが、徐々にアコードワゴンやオデッセイなどのステーションワゴン、ミニバンにもその勢力を拡大。今回紹介した事例は今から約20年前のカスタマイズだが、令和の現在の審美眼で見ても斬新で注目すべき点は多い。現在、ココまで派手に仕上げるクルマは少なくなったが、今だからあえてチャレンジしてみてはいかがだろうか。