実用5ドアハッチバックにもMT車を設定するホンダ・シビック(FL5型)
スポーツ度があまり高くなくても、MTを駆使してクルマを走らせたい人にお薦めしたいのが現行型のホンダ・シビックだ。11代目のフツウのFL型は、1.5L直4ターボエンジンを搭載し、最高出力182ps/最大トルク24.5kg-mを発揮する爽快な走りを楽しむことができる。なにより5ドアハッチバックのため使い勝手にも優れており、後輪駆動やボディタイプにこだわらず、日常使いでMT車が欲しいという人にはうってつけだ。
昔よりボディが大きくなっているが(全長4550mm×全幅1800mm×全高1415mm)、それでいてホイールベースは2735mmと長いことから室内は広く、ホンダの根幹である「マン・マキシマム/メカ・ミニマム」(ボディは小さくて室内は広い)を継承。実用性を犠牲にしないMT車という位置付けだ。以前はこうしたクルマがたくさんあったのだが、現在では希少な存在となってしまったのが非常に残念だ。毎日のカーライフをMTで操りたいというのであれば、FL型シビックは最適なモデルだろう。
もちろんトップエンドに君臨するFL5型シビックタイプRも発表されており、その存在にもさらに注目が集まる。2L直4DOHCターボエンジンからは最高出力330ps/最大トルク42.8kg-mというハイスペックを誇る。その性能を存分に味わい尽くすとなるとサーキットに限られるが、先代のFK8型シビックタイプRをさらにブラッシュアップした運動性能は、499万7300円の車両本体価格がバーゲンプライスと言えるほどスペシャルなシビックに仕上がっている。
好みのスタイルが選べる軽カーオープン!「ダイハツ・コペン」(LA400K型)
ダイハツ・コペン、これも魅力的なモデルだ。ふたりしか乗れないものの軽自動車のため維持費を低く抑えることができるメリットも大きい。軽自動車は低コストで実用性が高いことから人気の高いカテゴリーのクルマであるが、なかでもコペンはオープンエアスポーツと考えると軽自動車のなかでも異端児的な存在ではあるものの、それ故にダイハツが大切に作り込んでいることがわかる。
価格はほとんどが200万円以下で「ローブ」「エクスプレイ」「セロ」の3つのボディスタイルのすべてにMT車の設定がある。そして尖がったコペンGRスポーツにも当然MTの設定があり、パワーユニットは軽自動車の自主規制いっぱいの最高出力64ps/最大トルク9.4kg-mとライバルに対して性能に違いはないのだが、さまざまなバリエーション展開が多くの軽カースポーツファンを虜にしている。
小型車からハイパフォーマンスカーまでまだまだMTモデルが選べる
ほかにもルノー・トゥインゴのMT車はRR(リヤエンジン・リヤドライブ)という希少なレイアウトによるドライブの楽しさを享受することができ、BMWのM4クーペや日産フェアレディZなどの国内外のハイパフォーマンスモデルにも、普段使いでMTを駆使して走ることができるモデルが存在する。
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おそらくスポーツカーのMT車は今後価格が高騰していくのは必至だが、投機目的ではなく純粋にMT車がある生活を楽しみながら、「昔のクルマの主流はこうだったのだ!」といまのうちに体験しておくことは、長い目で見たカーライフを豊かなものにしてくれるだろう。そして多分、痴呆防止にもつながるかもしれないし、自動運転や電気自動車が当たり前になったとき、MT車を経験したという貴重な体験はきっとかけがえのない思い出になることだろう。