マツダ・コスモスポーツ
日本車も1960年代あたりは試行錯誤していた時代ということもあり、奇抜なデザインのクルマがけっこうあった。個性派ぞろいと言ってもいいだろう。
マツダデザインへの評価は高いものの、これは今に始まったことではない。たとえば「ルーチェ」はクセがありすぎるモデルだったし、そこから派生した「ルーチェロータリークーペ」はベルトーネ時代のジウジアーロがデザインしたもので、存在感が半端ない。
自社デザインだと、初代の「コスモスポーツ」だろう。ロータリーエンジン搭載車第1号でもあるが、1967年という時代を考えると、時代を先取りしすぎており、今見ても惚れ惚れするほどのレベルだ。ディテールは難解過ぎるが、デザインを担当した小林平治氏自体が相当ユニークで、型にはまらない人だった(その後、退社)。「キャロル」や「360クーペ」もデザインしており、そう言われるとなんだか納得する。
スバル・アルシオーネSVX
バブルの波に乗って出た、水平対向6気筒搭載のスペシャリティカーとしてお馴染みだが、こちらのデザインも相当な存在感でセンスも独特だ。担当したのはジウジアーロで、本人が実車を見たとき、「スケッチそのままに作っちゃったの!?」と驚いたという噂もあり。
トヨタ・セラ
1990年代あたりまでは、突然ユニークなことをすることが多かったトヨタ。その代表格が「セラ」だろう。ユニークな理由は見てすぐにわかる通り、全面ガラス張りとシザードア。今だと断熱ガラスなどがあるが、当時はなくてフツーのガラスを使用しているため、当然、夏になると温室状態だった。今ならクレームものか!?
いすゞ・ビークロス
1993年の東京モーターショーに登場したコンセプトカー、ヴィークロスをそのまま市販化しただけに、奇抜どころではなかった。日産に移籍して話題になった中村史郎氏とサイモンコックス氏がデザインしたもの。じつは市販化が急きょ決まったこともあり、ショーカーと市販車のデザインはイメージが一緒なだけで、ディテールはまったく違ったりする。どちらも奇抜ではあるが。