ヒストリックカー・ラリー仕様にモディファイ
こちらでご紹介する1970年式フィアット124は、ご覧のとおりラリー・モディファイが施された個体。昨今では「ヒストリック・ラリー・モンテカルロ」など、1980年代ごろまでのいわゆる「ヤング・タイマー」世代の、比較的新しいヒストリックカーが参加できるイベントも増えてきており、この個体も現地でヒストリックカー・ラリーに参戦していたクルマと思われる。
取材車両は124のなかでも「スペシャルT」と呼ばれる、1970年に追加された高性能グレード。スパイダー/クーペのスポルト系と同じ1.5LのDOHCエンジンをデチューンして搭載されているのがデフォルトで、この個体はランチア「ベータ」の2.0Lエンジンに載せ替えられており、約120psものパワーを発揮する。もちろんオーナーがその気になればアバルト124スパイダーのエンジンにも比較的たやすくスワップできるわけで、こういった汎用性の高さもロングセラー量産車ならではの美点だ。
セダン本来のシンプルで質実な成り立ちは現在の目で見ても非常に好ましい124だが、正規輸入されていた当時の日本ではその魅力は理解されず、ごく少数しか売れなかったという。
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趣味物件としては鉄板の500(チンクエチェント)や初代「パンダ」、あるいは124スパイダーといった王道路線もたしかに魅力的だが、あえて現代の日本で知る人ぞ知る「124カフェ・レーサー」のオーナーとなり「グレード名の“スペシャルT”は、“スペシャリティ”にひっかけたフィアット流の言葉遊びだったんだよ」などとイベント会場で蘊蓄を傾けるのもまた、ひとつのクルマ遊びのあり方と言えるだろう。
■取材協力
晨風
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