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日産「R35 GT-R」は走行20万キロオーバー! クラッシュを乗り越え12年半の歩みを一挙公開

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TEXT: GT-R Magazine 野田航也  PHOTO: 澤田優樹/小林 健(本誌)/増田貴広(本誌)

部品が手に入るという現行モデルの強み

 本誌R35は走行21万km時、サーキットでのクラッシュを経験している。幸いドライバーに怪我はなかったが、助手席側に他車が衝突する形の事故で、誰が見ても「全損」というほどにボディが大破してしまった。

 通常ならば廃車を考えるところかもしれないが、新車から20万km以上も連れ添ってきた大事なスタッフカーであり、この先も運行を続けることで読者の皆さんに情報を提供していくという義務がある。そう考え、藁にもすがる思いで『ラッシュモータースポーツ』に相談したところ、修復可能ということで作業を依頼することになった。

修復中のR35GT-R

 ダメージはフレームやフロアにまで達するほどの重傷。「これがもしも第2世代GT-Rだったら直すのは無理です」と同店の瀬野雄一郎代表は語った。現行モデルであるR35は、外板やフロア周りなどほぼすべての部品が手に入るため、元通りにすることができる。ただし、各所が超高張力鋼板で強固に溶接されているため、相当パワーのある最新の溶接機がないと施工は難しいという。

 もともと量産車としては異例と言えるほど高精度で作られているR35のボディだけに、修復できても走りが元通りになるのかどうかが不安だった。しかし、車両完成後に乗ってみると、おかしいどころか以前よりもボディがシッカリした印象だ。何名かプロドライバーに試乗してもらったが、違和感を訴える声は皆無。逆に「とても20万km走っているとは思えないほどイイ」というポジティブな意見ばかり頂戴し、心の底から安心した。

トランスミッショントラブルは3度経験……未対策の初期型は注意が必要だ

 この事故修理は例外として、これまで本誌R35で経験したトラブルで大きかったものはトランスミッションの不具合だ。8万7000km、12万7000km、19万9000kmと計3回故障している。どれも機械的に何かが壊れたわけではなく、奇数段/偶数段のどちらかのギヤにしかエンゲージされないという症状。「ピーッ」という嫌な電子音とともにメーター内にトランスミッションの異常を示す警告メッセージが点灯する。

トランスミッション異常表示

 一回目は初期型にありがちなアクチュエータ内のバルブが回転してしまうことよる誤作動で、対策品の鉄製クリップを3箇所追加するだけで復帰。MY10以降には初めから装着されているので同様のトラブルの心配はない。2度目は油圧センサーの故障。これもよく聞く例で、計3箇所あるセンサーを交換すれば解決できる。

 3度目はマニュアルモードで5速から4速にシフトダウンできなくなる症状で、恐らくシフトフォークの減りが原因と思われるトラブル。修理することも可能だったが、この時点で20万km近く使っていることも考慮し、初期型と同じマイコンを使っているモデルで最も新しいMY14の新品トランスミッションに載せ換えることにした。

 純正トランスミッションはASSYで153万円(税別)するが、R35のトランスミッションはクラッチやリヤデフも一体となっているため、それらもすべて新品になると考えれば納得できるレベル。初期型のR35にこの先も長く(10万km以上)乗りたいと考えている方は、各ショップが独自に行っている対策メニューを施すか、もしくは安心感が得られる高年式のトランスミッションに載せ換えることを想定しておいたほうがいいかもしれない。

(この記事は2020年6月1日発売のGT-R Magazine 153号に掲載した記事を元に再編集しています。金額などは当時のものです)

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  • 納車直後のR35GT-R
  • S1エンジン
  • 修復中のR35GT-R
  • トランスミッション異常表示
  • GT-Rマガジン編集部のR35GT-Rイメージ
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