「ヴィッツ」最終型後期が国産最後の1本ワイパー
レーシーで、スタイリッシュというメリットがありつつも、現在、ほぼ絶滅状態なのはどうしてだろうか? ちなみに日本車での最後の採用例は先代、つまり最終型のトヨタ「ヴィッツ」のマイナーチェンジ後で、それまでは2本ワイパーだったのをわざわざ1本にしていた。
消滅した理由としてはやはり拭き上げ面積が小さいからというのが一番大きく、説明不要なぐらいにイメージしやすいはず。左右上部が大きく拭き残るのは信号確認も含めて、とても危険だ。また、拭ける部分についても、自動車のフロントガラスは通常湾曲しているため、1本ですべてを対応するのは難しく、拭き漏れやムラが発生しやすい。
見た目の問題についてもコンシールド化が進み、最近はボンネットの端の部分にうまく隠れるようにもなっており、昔のようにガラスの下にワイパーが2本、付いている感じは薄れている。
拭き上げ面積については、以前メルセデスベンツがW124の「Eクラス」に「パノラマワイパー」という名称で、可変の1本ワイパーを採用していた。これは軸部分にギヤを仕込むことでアームの長さが伸び縮みし、2本ワイパー以上に角まで拭けるというもの。軌跡の形から「M字ワイパー」とも呼ばれていて、とてもユニークなワイパーではあった。ただ、そこまでして1本にこだわる必要はなかったことから、その後、採用が拡大することもなく、消えてしまった。
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以上のような理由で、1本ワイパーより2本ワイパーが当たり前になっているのだが、とくにレーシーなイメージについては捨てがたい気もするのも事実。国産車でも一部車種にはコンバージョンキットが用意されてはいるので、まったく装着の余地がなくなったわけではない。