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トヨタ「ハイラックス」でアジアクロスカントリーラリーに参戦決定! ボディは持続可能な天然素材

WÜRTH TRD Hilux MSB Tras135 (新田正直/松井 勉)

3年ぶりにアジアクロスカントリーラリーが帰ってくる

 コロナ禍の影響もあって開催を取りやめていたが、ついに2022年、第27回大会となるアジアクロスカントリーラリー(AXCR)の開催が決定し、2022年11月にスタートする。これに「WÜRTH TRD Hilux MSB Tras135」が参戦することを、そのメインスポンサーを務めるウルトが発表した。

 アジアクロスカントリーラリーは東南アジアを中心に開催されるFIA・FIM公認国際クロスカントリーラリー。1996年に初開催し、以後毎年8月に開催されてきたが、2020年、2021年とコロナ禍の影響で開催はキャンセル。3年ぶりの大会はこの11月に開催となる。今回の総走行距離は約1700kmと、同ラリーとしては短めのコース設定だ。

アジアクロスカントリーラリー初挑戦の2名が参加

 トヨタ・ハイラックスをベースとして仕立てられた「WÜRTH TRD Hilux MSB Tras135」に搭乗するのは新田正直/松井 勉ペア。アジアクロスカントリーラリー初挑戦の2名となる。

 新田選手は、LEXUS IS F CCS-RニュルブルクリンクプロジェクトやTEAM SUZUKI ECSTAR MotoGPのチームパートナーとして、そして鈴鹿8時間耐久レースにはBMWを使ったチームにもカーボンコンポジット製品を供給するトラスの代表であり、コンポジットスペシャリスト。モータースポーツを陰で支えつつ、自身もオフロードバイクが趣味で、さらに2020年からTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ(ラリチャレ)にトヨタ・アクアで参戦するなどラリーを楽しんでいる。

 コ・ドライバー(ナビ)を担当する松井選手は、普段はモーターサイクルジャーナリストとして、おもに2輪媒体などへの試乗レポートなどを寄稿している。また、BMW Motorrad本社公認オフロードインストラクターの資格も持っており、オフロードイベントの企画運営にも携わる。バハ1000など数多くのラリーに参加するなどオフロードレースの経験も多彩だ。

 今回の参戦は、この2名で、ラリチャレに使用していたアクアを使って冬の北海道を走破する「SHIBARERU RALLY 2021」に参戦したことがキッカケ。数日間にわたるラリー中の車内で、本格的に作り込んだ車両を使用し準備を整えればラリーレイド参戦は可能だという話が盛り上がり、ウルトからの全面的なバックアップもあり、そこから約1年半でこのプロジェクトは形になった。

笑顔でゴールすることがTRDの目標の一つ

「WÜRTH TRD Hilux MSB Tras135」は、トヨタ・ハイラックスをベースにTRDがラリーレイドにも耐えられる競技車両として仕上げているTRD Hilux MSBを使用する。TRDではユーザーのリクエストに応えて車両を仕上げ、さらに車両のサポートも行っており、TRDのスタッフと現地からTCD Asiaのスタッフも同行してカスタマーサポートに従事することとなる。

 このウルトの車両はボディ外板に天然素材のコンポジットを使用する。これはスイスB Comp社が提供する素材をトラスと共同でラリーの現場でのテストを行うとしている。このため、ウルト号は市販車クラス「T2」ではなく、改造車の「T1」に分類されてしまうが、基本的には中身はノーマルのまま、となる。

 TRDのプロジェクトリーダーである柏村勝敏氏は「世界のラリー競技に参戦するカスタマー向けに開発したTRDハイラックスMSBをAXCR2022参戦用としてウルトが選択してくれたことは、とても嬉しく思っています。また、トラスがB compの天然素材を採用したコンポジットボディに改装した車両で参戦することで、持続可能な材料での将来的な展開に向けた取り組みになるのでとても興味があります。われわれの開発した車両とともにカスタマーの皆様が笑顔でゴールすることがTRDの目標のひとつです」とコメントしている。

「第27回アジアクロスカントリーラリー2022」は、2022年11月21日(月)〜26日(土)にかけて、タイ王国のブリラム周辺を走り、国境を越えてカンボジア王国アンコールワットでゴールを迎える。

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