唯一無二の本格派四駆ミニバン「デリカD:5」でオフロードを走る
次はデリカD:5。今回は同乗ではなく、実際にハンドルを握ってアウトランダーPHEVと同じコースを試乗する。3種類から選択できるドライブモードは、強力なトラクションが得られる4WDロックモードに設定した。
筆者はこれまでD:5を運転した経験は1、2度くらいしかないが、いざ運転席に乗り込むと目線が高く、「四駆に乗っているんだなぁ」という安心感が得られた。今回助手席でナビゲートしてくれたインストラクターによると、オフロードを走るときはシートのポジションは若干高めに、なおかつシートを極力前側にスライドさせておくのがミソとのこと。ポジションを高くすることで近場の路面がより見やすくなり、なおかつシートの位置を前側にしておけば上り坂でも体重が後ろに持っていかれることもなく、アクセル&ブレーキの操作がしやすいそうだ。なるほど、勉強になる。
まずモーグルを走るのだが、D:5はオーバーハングがアウトランダーより若干長いため、下まわりを擦りやすいとのこと。それでも試乗用の車両はサイドステップが付いていないため、地面からのクリアランスは少々余裕があった。
しかし事前に「ゆっくり進んで下さい」とインストラクターに言われていたにもかかわらず、焦って少しスピードを出し気味にしてしまい、路面からの強い衝撃を感じてハッとわれに返って反省……。やっぱり何事も「焦らずゆっくり」が一番なのである。ふたたびゆっくりとモーグルを走り、4輪のグリップ力を自動制御するAWCの効果で、スタックすることなく乗り越えられた。
次は土のバケツ。アウトランダーPHEVはヒルディセントコントロールを活用して下りていったが、D:5は前輪が下りはじめたところでブレーキを操作して速度を調整し、腹下を擦らないように注意しながら下りる。そして入る角度に気を付けながらグッとアクセルを踏み、スムースに上りきった。
アウトランダーではスタックした次の坂を余裕で駆け上ったところで、最後の林道に入っていく。急坂は少々左側が斜めに角度が付いているため、車体を右側に寄せてブレーキを調整しながらゆっくり下りる。もし途中で滑ったら、一度ブレーキを緩めてあげると体制を戻すことができるそうだ。
※ ※ ※
途中でヒヤヒヤするシーンもあったが、無事に試乗終了。ディーゼルならではのトルクフルな走りと優れた四駆性能をダイレクトに体感し、D:5が欲しくなってしまった筆者であった。