アウトドアの適合性は飛躍的にUPしている
2022年7月にT33型と呼ばれる新型になった日産エクストレイル。同車といえば、かつてはSURF & SNOWスポーツ愛好家にとっての神器と言えるSUVモデルだ。車内での着替えもしやすく、防汚防水フロア、表皮といったスポーツ派に嬉しい機能満載だった。
しかし今では、SUV、クロスオーバーモデルの使い勝手はアウトドア、キャンプ、車中泊にシフトしている。では、新型エクストレイルのアウトドアユースの適合性はどうなのだろうか?
プラットホームこそ共通だが……
ちなみに先に言っておくと、基本骨格は日産、三菱、ルノーのアライアンスによる新開発プラットフォームを採用。つまり、三菱アウトランダーの兄弟車でもあるのだ。とはいえ、共通なのはプラットフォームだけ。内外装やスペックを見れば、アウトランダーとエクストレイルがまったく別物のSUVであることは明白だ。
何しろ、新型エクストレイルのパワートレーンはおなじみのe-POWERだ。発電を担うのは3気筒1.5L VCターボエンジン。フロント、リヤに駆動モーターを搭載する。アウトランダーと共通なのはリヤモーターのスペックのみとなる。駆動方式はBEVのアリアにも採用される先進のe-4ORCEとなる。
とくにインテリアはこれまでのギヤ感あるエクストレイルのイメージを一新する先進感、洗練度に満ちたもので、最新の日産車らしい12.3インチのフルTFTメーターと同じく12.3インチのセンターディスプレイ、10.8インチのヘッドアップディスプレイ、そして電制シフトが目を引く。こう言っては何だが、これまでのエクストレイルに感じられた潮の香、土臭さなど皆無の上質さに包まれる新型だ(白銀の世界は想像しやすいが。よりワイルドなエクストレイルが欲しければ、エクストリーマーXがある)。
走ればモーター走行が基本だから、静かでウルトラスムースなのは当たり前。三菱のS-AWCに近いe-4ORCEの4WD性能も文句なしであり、走破性についてもエクストレイルならではのタフギヤらしさが貫かれているのだ。つまり、悪路に遭遇する機会もあるアウトドアにうってつけの走行性能を持ち合わせていることは、新型でも間違いないところ。