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「GT-R」ではない「史上最強のスカイライン」と呼ばれた「鉄仮面」とは? スーパーシルエット仕様になった「R30」は別格です!

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了/日産自動車

スーパーシルエットで活躍した「鉄仮面」スカイライン

 レースで活躍した「スカイライン」といえば、ハコスカGT-Rや、グループAから全日本GT選手権のR32~R34などが挙げられますが、スーパーシルエットで活躍した「鉄仮面」ことR30も印象的でした。今回は6代目・R30型の日産スカイラインを振り返ります。

高度なメカが盛り込まれたS20型エンジンを搭載する「GT-R」

 かつてプリンス自動車工業を代表するスポーツカーであり、そして1966年にプリンスが日産自動車に吸収合併されて以降は日産を、いや日本を代表するスポーツカー・ブランドに成長した「スカイライン」。プリンス時代は4気筒用のノーズをストレッチして6気筒エンジンを搭載したスカイラインGT、通称「スカG」が、そして日産の傘下に入ってからは直6ツインカムを搭載した「GT-R」が、シリーズのトップモデルに位置づけられてきました。

 GT-Rとしての初代モデルとなったPGC10系「ハコスカGT-R」は、純レーシングカーのR380に搭載されていたレーシング・エンジン、GR8型と基本設計を同じくする高性能エンジンで、直6ツインカム24バルブヘッドが組み込まれた「S20型」を搭載していました。S20型のスペックを確認しておくと、排気量は1989cc(φ82.0mm×62.8mm)で、ミクニ・ソレックスのツインチョーク・キャブを3連装し、最高出力は160ps(レギュラーガソリン仕様は155ps)を捻り出していました。

 このS20型が搭載されたスカイラインGT-Rは、1968年8月に登場した、スカイライン・シリーズとしては3代目となるC10型系がベース。1969年2月に登場した4ドア版がPGC10、1970年10月のマイナーチェンジ後には4ドア版が廃止され、新たに登場したハードトップをベースにしたスカイライン・ハードトップGT-Rに移行し、2ドアクーペを示すKPGC10の型式名が与えられていました。

ケンメリからR32まで「GT-R」は16年の空白

 スカイライン・シリーズは1972年9月に3度目のフルモデルチェンジを受けて4代目のC110型、通称「ケンメリ」に移行しています。このモデルでもS20型を搭載したGT-Rがラインアップされていますが、その登場はベースモデルの登場から4カ月後の1973年1月でした。もっとも、ベースモデルが登場した翌月、1972年10月に開催された第19回東京モーターショーにレーシング仕様が参考出品され、C110型系にもGT-Rが追加設定されるであろうことは「公然の事実」となっていました。

 はたして、年明けには発売に漕ぎ着けていましたが、ケンメリGT-Rは、わずか197台が生産されたに過ぎず、今もプレミアがつく人気モデルとなってしまいました。生産台数が限られてしまったのはS20型エンジンの数が、それだけしか残っていなかった、などいろいろな説が伝えられています。

 いずれにしてもS20型エンジンは、1973年の排出ガス規制に適合させることが叶わず、それ以上増産されることはありませんでした。そしてS20型エンジンが底をついたタイミングでスカイラインGT-Rの歴史にも一度休止符が打たれることに。そしてGT-Rの名は、R32 GT-Rが登場する1989年の8月まで、16年以上もの間途切れることになってしまいました。もちろん、その間にホットモデルも登場してきましたが、6気筒の特別なエンジンを搭載していないことでGT-Rを名乗れなかったのです。

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