いまだ人気車種は長期納車待ちや受注停止が続く
最近は新車の納期が著しく延びている。従来は、特殊な車種を除くと、注文してから納車されるまでの期間は1〜2カ月だった。それが今は3カ月なら短い部類に入る。6カ月から1年に達する車種も多い。
仮に納期が7カ月とすれば、5カ月後の来年2月にフルモデルチェンジを行う車種は、すでに次期型を受注せねばならない。しかし次期型の価格は未定で準備が整っていないから、仕方なく受注を停止している。マイナーチェンジなどでも受注が止まるため、トヨタの販売店からは「売るクルマがない」という話も聞かれる。
今すぐ手に入る中古車に注目が集まる
そうなると即座に納車できる中古車が注目される。ただし中古車の流通台数も不足気味だ。今は新車として売られるクルマの約80%が乗り替えに基づき、それまで使ってきた愛車を下取りに出して新車を買う。新車の納期遅延が続いて売れ行きが下がると下取り車も入荷せず、中古車の流通台数まで減ってしまうのだ。
その結果、昨今では中古車価格も高騰してきた。新車、中古車ともに、購入が困難な厳しい状態になっている。
中古ワークスコンプリートカーはミニバンが狙い目
それでも購入するなら、フルモデルチェンジを行って旧型になった車種がねらい目だ。新型の販売に伴って、従来に比べると下取り車が増えて、多少は有利になる。ここでは価格は高めながら、ファミリーカーにも適するミニバンのワークスコンプリートカーを取り上げたい。
まず先代ホンダSTEP WGNモデューロX。2017年式(5年落ち)の1.5Lターボエンジン搭載車で、4〜6万kmを走った車両が、220〜260万円で販売されている。割安とはいえないが、新車価格が約360万円だったことを考えると、5年落ちの中古車価格が60〜70%に収まるから選ぶメリットはある。
日産セレナは2022年の末から2023年にかけてフルモデルチェンジを予定しており、2017年式は現行型になる。ワークスコンプリートカーとしてはライダーを挙げたい。
価格は2Lのノーマルエンジン(スマートシンプルハイブリッド)搭載車が、200〜230万円で販売されている。フロントマスクなどを個性的に仕上げており、ワークスコンプリートカーの雰囲気は濃厚だ。そこを考えると買い得感が強い。
このほかホンダ・フリードにもモデューロXが設定されている。ミニバンはエアロパーツ装着車が人気だから、ワークスコンプリートカーにも力が入り、魅力的な車種を選べるのだ。