ノーマルサスペンションも時代とともに進化してきた
スポーツカーのノーマルサスペンションも時代とともに進化を遂げて、どんどんしなやかになってきている。スポーツカーだから硬めの足まわり、なんて時代はすでに過去のものになっているのだ。それでは、最新スポーツカーの足まわりはどんな考え方で開発されているのだろうか。
昔は硬さも半端で乗り心地の悪いサスも多かった
スポーツカーを名乗るからには、やはりそれ相応の運動性能が必要になる。そうなると車体が大きくロールしたり、ピッチングしていては、なかなかスポーティな走りは難しい。荒れた路面ならむしろそういった足まわりでもスムーズに走れたりするのだが、ドライビングのスキルもそれなりにないと、大きな姿勢変化をコントロールできず「怖い」と思ってしまいがちだ。
そこでスポーツカーはある程度引き締められた足まわりになっていることが多い。しかし、社外の車高調ほど硬いわけではなく、かと言って乗り心地は結構不快なノーマルサスも多かった。
ダンパーの精度アップや数々の新技術が登場
それが近年徐々に、ノーマルサスもしなやかに進化してきている。その背景には技術的な進化と、さらに接地性を高めたいという意図がある。
まず、技術的には各社さまざまな新テクノロジーを導入しているが、全体的に言えば精度が高まったことが大きい。ダンパーの精度が高められることで微細な動きにも対応できる減衰力が発生できる。動き出しから減衰力が素早く立ち上がれば、しっとりとしたしなやかな乗り心地を手に入れられるわけだ。
また、減衰力を細かくコントロールできるシステムが採用されたり、ダンパー内部にリバウンドスプリングを仕込むことでしなやかさを保ったままロール量を減らすなど、各社ともに工夫が凝らされている。