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「スポーツカー=乗り心地が悪い」は昔の話! 今どきのサスペンションがしなやかに進化している理由を解説します

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TEXT: 加茂 新(KAMO Arata)  PHOTO: トヨタ自動車/SUBARU/日産自動車

電子制御の時代には接地性が非常に重要となる

 そして重要なのは電子制御との密接な関係だ。現代の電子制御はスピンしそうになると、4輪独立してブレーキを制御して姿勢を制御している。スロットルとも連携して、クルマを安定方向に戻そうとする。また、場合によっては車体が曲がりやすいように内側タイヤにブレーキをかけたりと、細かな制御をしている。

 そこで重要になるのはタイヤの接地だ。クルマの姿勢制御コンピュータでは、各タイヤの回転する速度と前後左右への重力加速度などから、クルマが現在どういった状況にあるかを把握している。となるとタイヤが接地しなくなるとそのコントロールが効かなくなってしまうのだ。

 ひと昔前のクルマではブレーキング時にリヤタイヤのイン側が浮いてしまって、回転が止まることもあったが、そういったことが起きると、車体の現在の状況が把握できなくなってしまう。そこでサスペンションは伸び側のストロークをたっぷりともたせて、つねにしなやかな味つけで路面を捉えることが必須となっているのだ。

 だからこそ、車速が高く、路面の傾きも大きいニュルブルクリンクなどで車両開発をするメーカーが増えている。トヨタではそれに模したコースを国内につくるなど、これまで以上にタイヤの接地性が重要になってきている。

 ゆえにチューニングでサスペンションストロークを短くすると、ABSや姿勢制御がうまく働かなくなることがある。サスペンション交換時には十分気をつけて商品を吟味し、メーカー規定値内で装着するようにしたい。

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  • 加茂 新(KAMO Arata)
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  • チューニングライター。1983年生まれ。父が初代VWゴルフ、シトロエンBX、ZXなどを乗り継いでいた影響で16歳で中型バイク(ZRX400)を購入し、大阪芸大時代にAE86を購入。卒業後はチューニング&ドラテク専門誌を15年間製作し(約2年の編集長を含む)、数多くのレースにも参戦。2021年春よりフリーランスとなる。過去には180SX、S15、NA8、SCP10、86前期&後期を所有。現愛車はAE86、GR86、ZC33Sスイフトスポーツ、CBR954RR。
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