北米仕様の日産SUVをカスタム
栃木県モビリティリゾートもてぎで、2022年10月10日に開催された「北米野郎」ミーティングには数多くのカスタムカーが集まった。そこで普段あまり見ることができないクルマを数多く発見。今回はその中から北米日産の意欲作だったクロスカントリーSUVに属する「エクステラ」を駆り、アウトドアをタフに楽しむオーナーを紹介しよう。
ラダーフレームの本格派
小型ピックアップトラック「フロンティア」をベースに、1999年に北米日産が発表したのが「エクステラ」だった。北米においてはエントリーモデルのSUVとして人気を博し、その印象はいかにもアメリカンSUVらしく無骨でタフなルックスが魅力的だった。
現在流行のSUVの分野は、じつはふたつのカテゴリーに分かれているといっていい。ひとつが街乗りに使用する都会的な「クロスオーバーSUV」。このタイプは、フレームレスである「モノコック構造」を採用しているのが大きな特徴。ボディそのものをフレーム化させることで、軽量かつ高剛性を実現。衝撃についてはボディ全体を使って分散させながら受け止め、室内の変形を守る構造になっている。
一方もうひとつの「クロスカントリーSUV」は、いわゆる「ラダーフレーム構造」を採用している。つまり、フレームの上にボディが乗る梯子型シャシー構造になっている。このラダーフレームのメリットは、強度面で優れていること。荒れたオフロードを走ってもモノコック構造に比べて大きな衝撃に強く、たとえボディがボロボロになっても、シャシーさえ無傷なら走り続けることができるタフさを備える。元々がトラックやバス用シャシーとして設計され、強靭な作りはお墨付き。オフロード車との組み合わせによってさらなる発展を遂げたといえるフレーム構造だ。
ここで紹介しているエクステラは、タフさが売りのラダーフレームを持つクロスカントリーSUVである。オーナーであるTakeuchi3316さんは、このクルマのデザインがとにかく好きで購入。じつはエクステラは2台所有していて、1台はかなりカスタムを施しオフロードランナーとしてのリメイクを施していたが、
そのクルマが修理できなくなってしまったので、再びエクステラを購入。現在、以前乗っていたエクステラからパーツを外して移植を進めている真っ最中ということだった。
オフロードにチャレンジ
Takeuchi3316さんのエクステラは2006年式の2代目になる。そのため、ボディサイズは同じく北米仕様のフルサイズSUV「アルマーダ」やフルサイズピックアップ「タイタン」と共通のプラットフォームがベースなので、その作りはゆったりしている。
車両寸法は全長4540mm×全幅1850mm×全高1900mmと、それほど大きくはないので、日本の道路環境下でも取り回しやすい。外装は日産のクロスカントリーSUVらしいゴツい雰囲気に仕立てられている一方、インテリアは極めてシンプルな作りになっているのも特徴だ。
搭載するエンジンは北米仕様のクルマだけに4L V型6気筒エンジンを搭載。このゆとりあるトルクを発生させるVQ40エンジンはお気に入りのポイントになっているという。
カスタムについては現在移植を進めている最中というのだが、その方向性はハードなオフロード走行にも耐えうる強靭さを兼ね備えたスタイル。普段、このクルマを使ってキャンプを楽しんでいるそうで、砂浜を走ったり悪路を攻めたりといった使い方はしないとのこと。
しかし、そうしたオフロードランナーとしてのトラッカースタイルが好きなので、純正の樹脂製バンパーを外してパイプバンパーを製作して装着。クールに攻めたフォルムを作り出した。
カスタムは前回製作した車両からの移植パーツを含め、今後は急ピッチで進める予定。以前のエクステラはAT車だったが、今回はMTなので、オフロードも楽しめそうだ。そこで足まわりも含めて本格的に走りへ振った仕様変更を終えた後、ベースキャンプを設営して砂浜や悪路にもチャレンジするアウトドアスタイルを楽しもうかと思っているそうだ。