熟成極まる「フェイズ3」をもって生産終了へ
2010年に発表された2011モデルから、ヘッドライトはシャープなデザインになり、LEDスモールライトなどが装備されて、より現代的な見た目となりました。この変更から生産終了までの個体が俗にフェイズ3と呼ばれています。
登場当初は従来の2ZZエンジンを搭載する「エリーゼR」と、それにスーパーチャージャーで過給した「エリーゼSC」、そして新しく加わった136psを発生するトヨタ製1.6Lエンジン1ZR-FAEを搭載するベースグレードの3つの展開でした。ベースグレード(旧エリーゼS)は、エンジンの変更とともにトランスミッションが5速から6速へと多段化されています。
フェイズ3では2ZZ系パワーユニットはわずかな期間しかラインアップされておらず、このエンジンを搭載したフェイズ3はかなり希少な個体と言えます。モデルライフのほとんどは1ZRと、2012年に登場したトヨタ製2ZR-FEエンジンにスーパーチャージャーを組み合わせた仕様(220ps)で展開されていました。2021年にオーダーストップとなる段階では2ZRスーパーチャージャーしか展開されていませんでしたが、人気の高さから駆け込みでの注文が殺到したと言われています。
ロータスを今日まで導いた立役者
エリーゼは最大の自動車市場と呼ばれるアメリカでも成功を収めており、ロータスの歴史のなかでもっとも成功したモデルと言えるでしょう。エリーゼの存在がなければ今日のロータスは無かったかもしれません。
ロータス最後の純内燃機関モデルと言われている、「エミーラ」が日本市場でも導入されると発表されました。ですが、これほど軽量でシンプルなロータスらしいライトウェイトスポーツは、エリーゼが最後となる可能性は高いでしょう。エリーゼはこれから希少な存在となるモデルですが、クルマ好き、運転好きならばぜひ一度味わってほしいモデルと言えます。