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アメリカ版ニュルブルクリンク誕生!? パイクスピークが新車開発の聖地になる? 新テストプログラムを発表

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: ランボルギーニ/青山義明

PPIHCの新プログラムに2台の車両が参加

 現地時間2022年10月18日(火)、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(PPIHC)が新しいテストプログラムを提供していることを発表した。

 パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムとは、アメリカコロラド州にあるパイクスピークという標高4301mの山を舞台に、誰がこの山を一番速く駆けあがることができるかを競うヒルクライムイベントである。

 スタート地点の標高が2862m、そしてゴールまでの156個のコーナーを抜け1439mの標高差を駆けあがる。1916年にその初めての大会が行われ、以後世界大戦などで未開催の年もあったものの、毎年独立記念日前後に開催されている世界で2番目に古いレースであり、ヒルクライムだ。今年の6月には100回記念大会が開催されている。

 ちなみにこのコースは通常は観光道路として使用されており、実際にそのコースを通してタイムアタックすることができるのは年に1日しかない。

 そのパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに使用される12.42マイル(約20km)のコースがテストに開放されている。PPIHCのフレッド・ベイチ理事長は「さまざまなメーカー、ドライバー、レースチームが、車両をテストすることに関心を持っている。認定コースタイムを取得するため、レース日以外でプライベートテストができるプログラムを用意した」とコメントする。

ランボルギーニ・ウルスは10分32秒064のタイムを記録

 そもそも、このパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムのコースでのテストは、決して新しいものではない。すでに1930年代から車両の耐久性やタイヤの開発などにも使用されてきた歴史がある。最近でも2014年にポール・ダレンバックがレンジローバー・スポーツでの走行を実証している。今回は、このコースを実際にレンタルすることと、このコースでの認定タイムを記録することが可能となったのだ。

 このプログラムに最初に参加したのはイタリアのランボルギーニ社。8月のモントレー・カーウィーク前に、PPIHCに参戦経験のあるシモーネ・ファッジョーリがドライブするランボルギーニ・ウルスで10分32秒064のタイムを記録した。

 そして、9月には、デビッド・ドナーが100回記念大会に出場した「000」を付けた、ポルシェ 911 ターボ Sを再度走らせた。100回記念大会が開催された6月26日(日)は悪天候のためタイムアタックとはいかなかった。この再アタックでは9分53秒541のタイムを記録した。

 しかし、フレッド・ベイチ理事長は「これらのセッション中に記録された時間はレース記録ではなく、同じコースだが、既存のPPIHC 記録を置き換えるものではない」と、このタイムがパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの記録とは異なり、その大会記録を破ることはないとする。

 リース・ミレンは、2018 年にベントレー・ベンテイガ、そして2019 年にベントレー・コンチネンタルGTを駆り、プロダクションSUV とタイムアタック2プロダクションのタイムを記録している。これは現在のところ破られることはない。ただ、その車両の実力を図るものではある。

 車両の性能をタイムという評価軸でアピールしたいと考えるアメリカのマニュファクチャラー。わざわざ車両をドイツに持ち込むことなく、コースを借り、テストを行い、タイムを公式に記録することができることとなる。

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