「十勝夏祭り&HKS HIPERMEETING」で北海道のクルマ好きの生態を調査!
冬場は雪に閉ざされる北海道。「冬場でも乗る!」というチューニングカー乗りもいる一方、夏場にサーキットを思いっきり楽しみ、冬場は車両を保管しておくというオーナーもやはり多い。では、「冬場は乗らない」保管派はどんな生態なのか、2022年8月14日に十勝スピードウェイで開催されたイベント「十勝夏祭り&HKS HIPERMEETING」で現地調査してきた。
長期間のガレージ保管では電源の有無も大事なポイント
自慢のチューニングカーの保管場所に関しては、普段の駐車場でカバーをかけて保管という人もいるし、シャッター付きガレージに収容していて、冬場は入れっぱなしという人も多い。
ガレージに電源も備えているのが望ましいが、そこは物件に出会えるかどうかの運もある。電源のないガレージだと悩ましいのがバッテリー上がりだ。半年近く保管しているとバッテリーにはかなり厳しい。再始動時にはジャンプスタートなどでかけることができても、バッテリー自体が劣化してしまうので毎年のようにバッテリーを交換することもあるという。
定期的にエンジンをかけても、バッテリーを充電するほど停止状態でエンジンを回すのはよくないし、時間もかかる。マイナス端子を外しておく手もあるが、それでも半年はなかなかの時間である。
冬場乗らないことでクルマは錆びのリスクを回避でき、サスペンション交換やアライメント調整の費用を節約できるメリットはある。しかし、バッテリーの劣化だったり、ガレージ代だったりと、やはり雪国の暮らしには相応に費用が必要なようである。
イカポンさん:アルトターボRSは年中無休でフェラーリはガレージ保管
イカポンさんはスズキ・アルトターボRSのAGSモデルで参加していた。ロッソモデロのマフラーにTANABEのダウンスプリングを組んで車高をダウンし、タイヤはDIREZZA ZIII 165/50R16、ホイールはTE37KCR 16×5.5Jを装着。至ってライトチューンに仕上げている。
「メインカーとしてアルトに乗っているので冬場も乗ります。そのため車高もダウンスプリングで少し落とすくらいにとどめています。このアルトは4WDなのでスタッドレスタイヤを履くだけで冬場も快適に使えます。でもやっぱりサーキットでAGSミッションは厳しいですね。数周でクラッチが焼ける匂いがしてきてしまってピットインしました。やっぱり厳しかったか~」
さらにイカポンさんは夏場限定マシンとしてフェラーリ360モデナも所有。こちらは冬場はガレージで眠っている。置き場は自宅ではないが、札幌市郊外のシャッター付きのガレージで月に1万円ほど。電源もあるので、充電器でバッテリーはつねに充電しているとのこと。
ちなみにアルトは自宅マンションの駐車場を借りて停めていて、そちらは毎月9000円で屋外とのことで、ちょっと割高だという。
イカポンさんの、電源のあるガレージで月に1万円というのは、関東で生活する筆者からしたらビックリうらやましい価格。しかし、年の半分近くは乗れないわけで、その間ただガレージ代を払っていると考えると、北海道はやはり大変だ。
ブラックバードさん:R35を買ったばかり! 基本的に冬場はコンテナ保管
ブラックバードさんは日産R35 GT-Rを購入したばかり。R34 GT-Rフルチューンで夏場のみ十勝スピードウェイを楽しんでいたが、昨シーズンで一旦休養に入った。そこでデビュー直後に購入してすぐに手放してしまったというR35 GT-Rを再度購入した次第だ。
現在はサーキット対策にDCTクーラーを装着。それ以外はフルノーマルで何度か走行したが、足まわりがあまりにもふわふわでロール量が大きいということで、今回あらたにHKSの最新サスペンション「HIPERMAX R」を投入した。タイヤはRE-71RS(フロント255/40R20、リヤ285/35R20)で、ホイールはTE37ULTRAトラックエディション(フロント20×10J 25、リヤ20×11J 15)という組み合わせだ。
「今年買ったばかりなのでまだ冬を経験していませんが、冬場に乗るつもりはありません。なので、冬場はいつもサーキット用のクルマはコンテナに入れて保管しています。だいたい11月くらいからですね。とはいえ、今年は札幌のチューニングショップ“クルーズ”でいろいろとチューニングをするので、そちらで冬を越す予定です。VOLTEXのエアロを装着して、ワイドフェンダー化します。最終的にはエンジンにも手を入れたいと思っています」
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北海道ならではと言えるのが、冬場にチューニングを進めるためにショップに預けておくという方法。どうせ冬場の乗れないうちにガッツリとプロジェクトを進めておいて、来春には一気に完成したクルマでサーキットを楽しめるというわけだ。