走破性や荷物の積載性が抜群のSUVモデル
アウトドアを楽しむのにクルマはSUVが適している……その考え方に間違いはない。ワゴン並みのラゲッジスペースを備え、最低地上高に余裕があり、多くは4WDが用意されている。アウトドアの荷物をたっぷり積めて、悪路走行にも対応してくれるからである。
ただし、トヨタ・ランドクルーザーやスズキ・ジムニーのような本格SUV、クロスカントリーモデルではないとアウトドアフィールドにたどり着けない、なんてことは、ここ日本ではまずありえない。極悪路の先にアウトドア施設、キャンプ場を作ったとしたら、多くのお客さんを呼べないからだ。
日本のほとんどのアウトドアフィールドやキャンプ場はアクセスが良く、フィールド内も整地され、それこそフツーのセダンで訪れることだってできるところがほとんどだ。
とはいえ、アウトドアを楽しむならやっぱりカタチから入り、クルマはSUVやクロスオーバーモデルがベスト、と考える人が多いはず。しかし普段はオシャレに乗りたい……そこで、普段の街乗りに似合うスタイリッシュな都会派(!?)SUVでも、走破性や荷物の積載性で、じつは「意外と本格」と呼べる国産SUVを紹介したい。
トヨタ・ヤリスクロス
まずは売れに売れているトヨタのコンパクトカー「ヤリス」をベースに、クロスオーバーSUVに仕立てたヤリスクロスだ。コンパクトカーを少しSUV仕立てにしたクルマと思うのは大間違いで、ヤリスとパワーユニットやCVT、ホイールベースなどを共用するものの、ボディサイズは全長4180×全幅1765×全高1590mmと大柄だ。リヤオーバーハングを延長し、アウトドアライフなどで不可欠な大きな荷物を積載可能とする大容量かつ使い勝手のいい荷室さえ実現している。さらに最低地上高170mmとともに、本格的な4WD機能さえ備えているのである。
とくにHVとともに用意されるガソリン車の4WDは、HVの4WD=E-Fourよりも悪路走破性に優れ、なんとC-HRやライズなどにない4WDのマルチテレインセレクト、MUD&SAND、ROCK&DIRTが加わる。実際、かなりの悪路走行を経験しているが、マルチテレインセレクト装着車なら本格SUVに匹敵する走破性を見せつけてくれるのだから心強い。もちろん、HVのE-Fourでも日本のアウトドア、雪道などにしっかりと対応してくれるから安心してほしい。
もうひとつ、ヤリスクロスが意外と本格派と思えるもうひとつのポイントが、ラゲッジスペース。奥行き790mm、幅995mm、最小天井高710mmの広さと容量もさることながら、6:4分割でアレンジできる2段デッキボードを備える。下段にセットすれば、大型スーツケース2個、ゴルフバッグ2個を、後方視界を犠牲にせず積みこめ、上段にセットすれば上下分割で使えるのだから、アウトドアでも大活躍必至だ。
さらにHVにはAC100V/1500Wコンセントがオプションで用意され、車内外で1500Wまでの家電品が使用可能。コーヒーメーカーや簡易電子レンジ、照明などが使えることになり、より便利で快適なアウトドアを楽しむことができるようになる。