スバルEJエンジンの性能を解き放つメニュー
EJ20型エンジンを知り尽くしたHKSとスーパーオートバックスがコラボレート。「安全かつ安心」をテーマに吟味を重ねたBBiチューンは、確かなパフォーマンス向上が実感できると評判だが、その詳細を紹介しよう。
徐々にステップアップさせ愛車を作り上げていく喜び
EJ20型エンジンを搭載する最終モデルとなったスバル「WRX STI」(VAB)。究極のドライビングプレジャーを目指したクルマだ。AWDによる高い安定性と操る楽しさを味わえる6速MTを組み合わせている。類いまれなる速さを備え、その走りは未だに色褪せることはない。
そんな珠玉のスポーツセダンを、さらなる高みに誘うべく立ち上げられたのが「BBiチューン」だ。コンセプトは、安全かつ安心してステップアップできること。闇雲にパワーアップを目指すのではなく、ストリートでも扱いやすい、爽快なドライビングフィールを追求している。
高性能ゆえにシビアな面も併せ持つVABだが、HKSとスーパーオートバックスがタッグを組み、これまでのノウハウを活かしたパーツ開発により、信頼性の高いメニューを実現した。徐々にチューンナップを進めていくため無駄なくステップアップできるのはもちろん、愛車が進化していく過程を楽しめるのも醍醐味と言えるだろう。
VABも登場からすでに約8年の歳月が経過。走行距離がかさみ、純正パーツの消耗が気になる個体も決して少なくはないことだろう。リフレッシュついでのチューンアップという意味でも、BBiチューンに取りかかる意義は大きいといえる。車両の生産が終了しても開発を続け、完成形とも言えるこのメニュー。どのようにステップアップしていくのか、具体的に紹介していこう。
チューニングの第一歩はマフラー交換から
まずは【ステップ1】のマフラー交換から紹介していこう。排気抵抗が大きい純正マフラーから高効率なスポーツマフラーに換装。排圧を抑え込み、エンジンやタービンがストレスなく回せる環境を整える。
HKSでは軽量モデルのハイパワースペックL IIや、オーバルサイレンサーを採用するスーパーターボマフラー(シングルテール/ツインテール)、4本出しのフルチタンモデルのスーパーターボマフラーTIと、キャラクターが異なる4タイプをラインアップ。デザインはもちろん、サウンドやパワー特性まで専用チューニングを施すことで、多彩なニーズに応えている。
キャタライザー交換だけで排圧の高さを解消
【ステップ2】ではブースト圧の適正化に着手する。高効率なメタルキャタライザーにより排圧を抑える環境を整えたうえで、フラッシュエディターのPHАSE2(ブーストアップ)データをインストール。バルブタイミングや電動スロットル、ブースト圧の制御データを最適化することで出力アップを図っていくのだ。
排圧の低減により過給圧の立ち上がりが鋭くなり、高回転も伸びるようになる。さらに耐ノック性への余裕も生まれてエンジンの安全性も高まると、いいことづくしだ。ただし、燃焼効率が高まるため、レーシングプラグの導入も必須となることも念頭に置いておきたい。