SUVの次はピックアップが来る!?
メキシコで開催される世界一過酷なオフロードレース「バハ1000」をご存じだろうか。メキシコのバハ・カリフォルニア半島の都市からスタートし、過酷な砂漠、岩場の多い山岳地帯を800km以上走行(開催年によって距離は大きく異なる)。しかも、それをずっと高速で駆け抜けるオフロードレースの最高峰だ。
起伏に富んだ地形の中を飛んだり跳ねたりしながら走ることから、その車両はバハ用として特殊なつくりとなっている。じつは今、そんなバハに代表される砂漠を走るオフロードレース用にカスタムする「プレランナー」と呼ばれるスタイルが、カルフォルニアを中心に流行しはじめている。果たしてこのプレランナーとはどのようマシンなのだろうか。
プレランナースタイルに注目
ピックアップトラックのカスタムは昔から人気が高い。だが最近、とくに注目を集めているのがバハに代表される砂漠を走るオフロードレース用にカスタムした「プレランナー」スタイルだ。じつはこのマシン、本格的にハバに参戦するために作ったモンスターピックアップトラックとは違って、レース前に下見とテスト走行を兼ねてカスタムを施したマシンの呼び名だ。
とんでもない悪路を走り切るために走破性を高めるチューニングを施しているが、本格的レースマシンと違いあくまでもテスト車なので、意外にも内装は純正のままだったりする。
道なき道を突き進む砂漠のオフローダーとして日本でも注目されはじめたプレランナースタイル。これにいち早く目を付け楽しんでいるのが、今回紹介するトヨタ「タコマ」を駆るロックさんだ。
本場カルフォルニアのプレランナー仕様の特徴は、大きくジャンプしてもクルマが壊れないように作り込む点にある。そのため、車高はハイリフトに加えてしっかり衝撃を吸収しながらよく動くサスペンションを装着。さらにジャンプ時の着地に備えてバンパーを外し、鉄パイプとガード用の鉄板をセットするのが大きな特徴だ。また、他にもより太いタイヤを履かせるためにブリスターフェンダーの装着や、小径ホイールに分厚いタイヤの組み合わせなど、プレランナーとしての見せ方やポイントは細かく見ていくとたくさんある。
気に入った場所でそのままキャンプ
ロックさんのプレランナー仕様のタコマは、大自然の中、どこにでも入っていけて遊べる仕様として製作。主に仲間達と普通のクルマでは走行できないような場所を散策し、良い場所があったら、そのままキャンプを楽しむライフスタイルを満喫している。
思い立ったら即キャンプができるように荷台にセットする専用ラックを製作して装着。そこにサイドオーニングもくくりつけられるようにしている。
今どきのスタイルならば、荷台にルーフテントという選択肢もあるが、じつはコレ、お酒飲みにとっては危険で、酔っぱらってしまうと登るのも降りるのもやっかいことになる。だから、あえてロックさんは装着させていないということだった。
それに、プレランナースタイルならば、この方がシンプルで良いという判断もあったという。
もちろん、見た目だけでなく、ロックさんのこだわりは性能や走りの面で徹底的に考えてセットを組んでいる点にある。本格的なバハ仕様とはまではいかないが、それに近づけるためにエンジンもTRD製のスーパーチャージャーキットを装着してパワーアップ。サスペンションはUS物のKing Shocksをセット。デフのイニシャルも高めて、悪路をガンガン攻め、砂浜をカッ飛ばせる仕様だ。
よりアクティブに自分を表現するアイテムとして、クルマにもこだわりのリメイクを施す。これが今どき野外活動を好むアクティブ派のライフスタイルだ。
今後、ピックアップトラックは注目すべきジャンルになる日が訪れるかもしれない。そして、そのカッコ良さを引き出すプレランナースタイルは、ますます脚光を浴びるはず。アウトドアが流行っている現在、その延長線上にある愛車のカスタムもロックさんのようにぜひとも同時に楽しみたいものだ。