気になるZ GT4の実力はどうか
さて、では2022年のS耐富士24時間においてメーカーの開発車両のクラスであるST-QクラスでデビューしたNissan Zは、どれほどのポテンシャルを持っているのだろうか? ちなみに富士24時間ではNISMOから2台のZが参戦し、1台はカーボンニュートラル燃料を使用。もう1台はガソリンを使用し、富士24時間以降はMax Racingで開発が行われている。
しかし今年の各レースでST-Zクラスの他車両とのタイムと比較してみると1〜2秒遅く、予選順位も7〜8位相当。決勝レースでも富士24時間が最高位で4位相当と、このままST-Zクラスに参戦すれば表彰台にすら届かないことになる。
もしかするとテスト参戦中なので「三味線」を弾いているのかと思いきや、そうでもないように見える。搭載されるエンジンは、V6、3LのVR30DDTT型を規定内でチューニングしたものだが、ロングノーズがゆえに重いV6エンジンが邪魔をして回頭性がイマイチなようなのだ。せめてST-Zクラスの上位陣と同じぐらいの速さが欲しいもの。S耐岡山では、新型ZのCPSを担当した田村宏志氏とも少しだけ話をする機会があったが、「レース参戦を考えて作ったクルマじゃないからね」とはぐらかされてしまった。
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車両のスペックや価格は未発表(11月1日〜の2022 SEMAショーで発表予定)だが、とくに北米では人気を呼ぶだろう。国内ではS耐に2台以上が参戦を予定しているという。しかもSUPER GT/GT500クラスに参戦するチームからのエントリーになるという噂もある。現在も開発中のZ GT4が、来年からサーキットで活躍する姿に期待したい。