筋金入りのシビックオーナーを取材
2022年9月18日に、長野県佐久市にある「130 COLLECTION」で開催された「シビック生誕50周年イベント」。会場では初代シビック(SB-1)が20台と、歴代モデルも展示された。今回は、44年間シビックRSに乗り続けている田玉さんと、高校生のときにグランドシビックに興味を持った三門さんを紹介します。
シビックRSひと筋の田玉さん
ツインキャブ装着のシビック1200RSに44年間乗り続けているのが田玉周一さんだ。長野県の中古車店に60万円で出ていた1975年式のRSを買い、コツコツと修理し、いじり倒したという。
「エンジンからサスペンションまで、すべてやりましたね。30年前に無限のNS1エンジンに載せ替えています。最近も車高調サスペンションを入れ、ブッシュやベアリングも新品に替えました。最大5台持っていたんですよ。そのうちの1台をエンドレスさんに譲りました。シビックRSは軽いから今のクルマと張り合えるんです」
と、シビックRSの素性のよさを絶賛する。クラブのツーリングイベントに皆勤賞なのも自慢のひとつだそうだ。次はキャブレターをオーバーホールし、FCRキャブの装着まで考えているというから、次に会うときにはさらに進化したシビックに会えるかもしれない。
運転免許を取得する前から所有している三門さんのシビック
歴代シビックも友情出演してくれたが、そのなかで目を引いたのが4代目のグランドシビックSiRに乗っている三門裕樹さんだ。高校生のときにグランドシビックに興味を持ち、学校のパソコンを使って中古車を探したというから筋金入りのシビックマニアである。
「グレードはなんでもよかったのですが、個人間売買のネットオークションで見つけたのが1.6LのDOHC・VTECエンジンを積む1989年式のSiRでした。イジってありましたが、これを逃すと次はない、と思い、16歳のときに契約したのです。それから14年の付き合いになりますが、いろいろなトラブルがありましたね。エアコンも壊れたので手放そうと考えたこともあります。また、CR-Xも買い足したので悩みましたが、その後、吹っ切れて借金してでも乗り続けようと考えました」と、一生乗り続ける決意を語っている。
三門さんがシビックSiRを購入したのは2008年のことである。その2年後に普通免許を取って走り始めたが、改造箇所が多かったため、さらにいろいろなところに手を加えている。長く乗るならノーマルがいいと考えるようになったのは26歳のときだ。
改造しているパーツをオリジナルに元に戻し始めた。手に入れてから14年になるが、13万8000kmだった走行距離は40万kmにまでになっている。その間に何度もトラブルに悩まされたが、そのたびに手を入れ、エンジンはオーバーホールしている。また、トランスミッションはタイプRのものと交換し、強度を増した。
最近の悩みは、パーツが出てこないことだそうだ。仕方がないので他車のパーツを流用したり、海外から調達している。トラブルの発生を抑えるためにパワステを外し、電動リモコンミラーも手動式に変更した。今となっては希少なグランドシビック、末長く大事に乗ってほしいと思うのは筆者だけではないだろう。