高額なパーツでもすべてが一生モノではない
愛車とのカーライフを華やかに彩り、サーキットでも活躍してくれるチューニングパーツ。とはいえ永遠に性能を維持できるワケではなく、遅かれ早かれ機械的な寿命が訪れるのは必然だ。
抜けたらオーバーホールが当たり前の車高調や、減ったら交換のブレーキパッドやタイヤ以外で、一定の年数で買い替えるべきパーツを挙げてみたい。
音質の変化にも注意したい「マフラー」
まずは排気系の主役ともいえるマフラー。劣化のおもな原因は内部のグラスウールが千切れて消音性能が低くなること、融雪剤による腐食や下まわりをヒットして穴が空くことなどが考えらる。寿命は7万kmや10年などと言われることもあるが、使い方によってはそれ以下になるケースも十分にあり、逆にメンテナンスで延命できる可能性もあり得るのだ。
音量が大きくなりすぎたり排気漏れを起きている状態では、車検に通らないばかりか取り締まりの対象になる恐れがある。音量はモチロン音質の変化にも注意を払いつつ、マメな手入れで少しでも延命できるよう心がけたい。
劣化で水が漏れてしまうこともある「ラジエター」
次は冷却系でラジエーター。社外品でよく見るオールアルミ製はまた別だが、純正と同じ樹脂タンクと金属コアの組み合わせは、経年劣化で継ぎ目から水漏れするのがお約束だ。さらに劣化したクーラントは樹脂を腐食させる。近年でこそ大幅なロングライフ化が進んではいるものの、定期的なクーラントの交換が推奨されている理由はこのためだ。とくにサーキット走行などを想定した高性能クーラントは、純正よりライフが短いので早めの交換を心がけよう。
なおラジエーター関連でいうと本体だけじゃなく、ホースの劣化でひび割れし水が漏れることもある。ハイパワーのチューニングカーや高回転域を使い続けるサーキット走行では、エンジンの発熱量が大きくノーマル車より劣化のスピードも早まるので、トラブルを起こさないうちにシリコン製などの強化品に交換しておこう。
何もしなくても劣化してしまう「ゴムブッシュ」
走りに大きく影響するのはブッシュ。強化品に入れ替えても走るほどに負担がかかるのは変わらず、ゴム製品だけに経年劣化によるひび割れなども避けられない。一般的にブッシュは8~10万kmが寿命といわれており、足が動いたときギシギシ音が出るようなら要注意だ。
サーキット走行がメインで負荷が大きければより早い劣化も考えられ、走行距離や交換してからの年数だけでは判断できないのが正直なところ。前述したギシギシという異音に加えて、定期的にクルマをジャッキアップしての目視や、アームを外して切れていないか確認できればベストだ。
サーキット走行で傷んでいるかもしれない「アルミホイール」
最後はホイールだ。素材であるアルミニウムの寿命は40~50年といわれ、ほとんどのユーザーにとっては一生モノと考えていいだろう。ただしハコスカのような旧車が昔から履いていると仮定すれば、2022年には耐用年数に達していても不思議ではない。新しめのモデルでもサーキットで激しく縁石に乗り上げていたり、クラッシュの影響で歪みやクラックが発生したようなホイールは、本来の性能を発揮できないどころか危険なので当然ながら即交換だ。
中古で買ったはいいものの振動が出たりバランスが取れなければ、修正が可能かどうか専門店で確認してもらうことをオススメする。