創業者と現社長のふたつのテイストはまだまだ続く
2022年10月22日(土)、光岡自動車の旗艦店として創業の地である富山県富山市に「MITSUOKA grand store」がグランドオープンした。そのオープン前日に行われた発表会では、光岡自動車の光岡 進代表取締役会長、そして光岡章夫代表取締役社長が揃って出席した。
1968年に創業した光岡自動車は、輸入車ディーラーも手掛けているが、ミツオカブランドで車両を生産していることのほうがよく知られているだろう。2020年に登場したミツオカ・バディの販売が好調であり、これまでとは異なる新たな客層を開拓したモデルとなっている。
既存の英国車風のデザインから脱却
これまでのミツオカのモデルというのは、この光岡自動車を創業した光岡会長が若いころ憧れた車両をイメージしたモデルが多い。英国社風のテイストの車両がそれだ。
「若いころはいろんなクルマに乗りました。人間は青春時代、二十歳前後のころに想った女の人とか、音楽とか、クルマとかバイクとか、その当時のモノに憧れたまま生きていくものなんですよ。40代くらいになってお金もある程度使えるようになってくると、私みたいに自分でそういったクルマを作ろうって人もいるわけですが(笑)、そういうクルマに乗りたいと思うわけです」と光岡会長は語る。
2018年にその光岡自動車50周年を祝った車両がミツオカ・ロックスターである。このモデルについては、2002年に社長に就任した光岡章夫氏が主導したモデルである。現社長は光岡 進氏の実の弟である。この記念すべきモデルは、既存の英国車風のデザインから脱却し、アメ車風のテイストが盛り込まれ、ミツオカの新たなイメージを作り上げ、さらにそれに続くミツオカ・バディでも引き継がれることとなった。
光岡会長は当初は否定的だったようだが、最近は「こんなに売れるんだ」っていうのがもっぱらの口癖だという。「今、青木(デザイナー)くんたちが二十歳の頃に想ったクルマを実現しているわけです。だれでも二十歳くらいのことを実現したいって想いはあると思いますよ」と光岡会長は現在のミツオカ・ブランドのラインアップについて語ってくれた。