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日産「セフィーロ」はバブル時代のオシャレセダンだった! いまならEVで復活したら人気が出るかも!?

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TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

4ドアハードトップのような流麗なスタイリングが特徴的だった

 日産セフィーロは、1980年代の末となる1988年に誕生し、まさにバブル経済の申し子ともいえる4ドアセダンだった。井上陽水を起用したテレビコマーシャルでの「みなさ~ん、お元気ですか? 失礼します」というセリフはいまなお記憶に残る。それほど、クルマそのものの商品性と別に、クルマをひとつのブランド化しようとした試みが印象深い。

 技術的には、R31スカイラインや、C31ローレルを基本とした後輪駆動(RWD)だが、それら2車種が角張った外観であったのに対し、4ドアハードトップのような流麗な姿や、プロジェクターヘッドランプを活かした顔つきなど、お洒落なセダンという特徴付けがあった。それが、井上陽水を起用したテレビコマーシャルにもつながったのだろう。

 当時、バブル経済の後押しによって世の中は沸き立つような空気があり、ハイソカーの言葉も生まれ、その中核をなしたのはトヨタの白い4ドアセダンや2ドアハードトップのソアラなどだ。これに対し、スカイラインやローレルは伝統的なセダンの実用性を形にしたような角張った姿であり、武骨であった。確かな手応えより、なんとなくいい感じという雰囲気が大切にされた時代に、それはあまりに人々の興味とかけ離れていた。そこに、セフィーロが誕生したのである。

EVとして復活すれば目玉になる可能性も!

 しかし、販売実績はそれほど上がらなかったのではないか。トヨタの牙城を崩すまでには至らず、2代目では前輪駆動(FWD)として、マキシマとの共通化が図られた。マキシマは、北米での販売が好調な車種で、これを活用することでセフィーロは延命が図られたといえるだろう。そして3代目へとつながる。

 その3代目でセフィーロは終わり、同じくマキシマを基としたティアナへ後を譲ることになる。

 ティアナは、モダンリビングという新たな概念によって、快適な室内空間による移動を特徴とした。FWDであることを活かし、後席の快適性は、広さとともに格別であった。そのティアナも、2020年には3代の歴史に幕を閉じた。北米ではまだ4ドアセダンの需要は残るが、国内市場はSUV(スポーツ多目的車)へ大きく転換し、スカイラインでさえ2013年からモデルチェンジできないままとなっている。

 一方、米国のテスラが4ドアセダンも堅調に売っているのを見れば、セフィーロのような個性的な4ドアセダンを電気自動車(EV)で取り組めば、それがひとつの日産の目玉となる可能性もあるのではないか。EV4ドアセダンは、実用的にも、運転の楽しさも、また持つ喜びも表現できる車種だと思う。

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