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究極のエンジンチューンは「排気量アップ」だ! 「ボアアップ」に「ストロークアップ」などやの手法とメリットを解説します

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: AUTO MESSE WEB

  • 排気量アップチューニングのイメージ

  • 2.8L化したRB26エンジン
  • 排気量アップチューニングのイメージ

まさに究極のエンジンチューニングといえる「排気量アップ」

 マフラーとエアクリーナーの吸排気系にはじまり、ブーストアップやタービン交換にハイカムなど、パワーやトルクを高めるメニューは豊富にある。予算も得られる効果もピンからキリまでさまざまだが、究極というべきエンジンチューンが排気量アップだ。その手段と代表的なケースを紹介しつつ、メリットや注意点をあらためて知っておこう。

シリンダー内径を拡大する一番ポピュラーな「ボアアップ」

 もっとも有名なのはシリンダーの内径を拡大するボアアップで、エンジンのオーバーホールと同じタイミング行われることが多い。シリンダーをボーリングすることで容積を増やし、広がった内径に合うサイズのピストンを組み込む。例を挙げると日産「SR20」やトヨタ「3S-GE」の2.2L化、日産「RB26」の2.8L化にトヨタ「2JZ」の3.1L化など。

2.8L化したRB26エンジン

 ただしシリンダーを削るほどブロックは割れやすくなるため、強化スリーブと呼ばれるパーツを使って対策するケースもある。

純正部品流用が可能で手軽さもある「ストロークアップ」

 ボアアップの正反対な手法が、クランクシャフト変更によるストロークアップ。国産車のチューニングで一世を風靡したのは、ホンダ・シビックタイプR(EK9)の1.8L化だ。人気を博した理由は社外品の高価なクランクシャフトではなく、ホンダ・インテグラタイプR(DC2)に搭載されているB18Cエンジンのリーズナブルな純正クランクシャフトが無加工で流用できたこと。

 ただしストロークアップはピストンの「首振り」と呼ばれる動きが大きくなるため、シビックタイプRならノーマルの1.6Lよりレブリミットを下げてトラブルを防ぎ、豊かなトルクを活かして早めにシフトアップするような走り方が求められる。

違うエンジンのパーツを組み合わせる「ブロック交換」

 もうひとつはブロックをそっくり交換する方法。マークIIやソアラに使われていた2.5Lの1JZエンジンでヘッドはそのまま、ブロックだけ2JZエンジンに取り替え3L化した通称「1.5JZ」はとくに有名だ。

究極は他車種用を流用する「エンジンスワップ」

 果たしてエンジンチューンと呼んでいいかは微妙だが、排気量の大きいエンジンをそっくりスワップする手もある。スカイラインなどのRB20搭載車にRB25やRB26を、また前述の1JZを2JZに載せ替えるのは定番中の定番だ。

* * *

 排気量が増えれば大きなタービンを回せるようになったり、NAでもトルクアップの恩恵は計り知れないほど大きい。ただし強度の低下やピストンの首振りといったデメリットがあり、出力が向上すれ熱量も増えるため冷却系の強化も必須となる。

 なおブロックを取り替えるケースは別として、排気量アップは外見で分からないことが多い。当然ながらそのままでは違法改造になるので、堂々と乗りたいなら必ず公認車検を取得しよう。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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