2代目コマンダーが日本上陸
2022年8月からティザーサイトを公開するなどプロモーションが行われてきた、3列7人乗りのミドルクラスSUV「コマンダー」がついに10月に日本導入、ジープ正規ディーラーで受注を開始した。
コマンダーはジープ伝統の卓越したオフロード性能を備えつつ、全長4770mm×全幅1860mm×全高1730mmという日本でも扱いやすいサイズで、3列シートの採用で多人数乗車や多彩なシートアレンジを実現している。
グランドチェロキー譲りのエクステリアデザイン
エクステリアはジープのフラッグシップSUV「グランドチェロキーL」のスタイルを受け継いだ。伝統の7スロットグリルを備えたフロントマスクはグランドチェロキー似のブランドデザインを採用。台形ホイールアーチもジープらしい仕立てだ。
リヤスタイルはプレミアムSUVの「グランドワゴニア」(日本未導入)からインスピレーションを得たというリヤコンビランプとバンパーが備わった。また、ルーフをブラックとしプレミアム感が演出されている。足まわりにはオフロードで高い走破性を見せる4輪独⽴懸架式サスペンションが採用されているのもジープらしいポイントだ。
インテリアはベーシックなデザインを採用。インパネ中央にはApple CarPlayとAndroid Autoに対応する10.1インチタッチパネルモニターが備わっている。ダイヤモンドキルティング処理を施したサポート部で上質感を高めたレザーシートが備わっているのがポイントだ。
インテリアカラーはスポーティなブラックとシックなエンペラドールブラウンが用意された。なお、インテリアカラーはボディカラーと組み合わせが決まっており、ブラックのインテリアにはブリリアントブラッククリスタルとグレーマグネシオメタリックのボディカラーが、ブラウンにはパールホワイトトライコートとヴェルヴェットレッドが設定されている。
3座の2列目シートと2座の3列目シートにはリクライニング機能が備わっている。スペースもゆとりがあるので、全席で快適に過ごすことができるという。また、後席ドアは最大80度まで開くことができるため、乗り降りもストレスがない。なお、ラゲッジ容量は7名乗車時で170Lを確保、3列目を倒せば481Lに拡大する。
ブランド初のディーゼルエンジンで勝負
エンジンはブランド初のディーゼルを搭載。低回転域から最大トルクを発生する、最高出力170ps/最大トルク350Nmの2L直列4気筒ターボディーゼルだ。
もちろんジープ得意の4WDシステム、ジープ アクティブドライブも備わっている。これはPTU(電子制御式パワートランスファーユニット)により、速度に関係なく2WDと4WDを切り替えてくれるもの。車両の傾きを制御するヨー修正や、走行状況に応じて最適なトルク配分を行うブレーキトラクションコントロールも採用されているので、路面状況に応じて自動で走行性能を高めてくれる。
また、SAND/MUD、SNOW、AUTOが選択できるドライブモード(セレクテレインシステム)や、急な下り坂を一定の低速で走行できるHDC(ヒルディセントコントロール)も装備されている。
最新モデルらしく運転支援機能も充実。アダプティブクルーズコントロールやブラインドスポットモニターをはじめ、ステアリング操作を支援するアクティブレーンマネジメントやハイウェイアシストシステム、駐車場からの出庫時などに側面からの車両接近を知らせてくれるリアクロスパスディテクションなどを装備。衝突被害軽減ブレーキには歩行者、サイクリスト検知機能が備わっている。
また、駐車時などに便利なサラウンドビューカメラシステムも採用された。ヘッドライトはロービームとハイビームを自動で切り替えてくれるオートハイビームシステムとなる。
価格は597万円(リミテッド)とされ、サンルーフ仕様はプラス16万円。なお、ジープのWebサイトでは、他モデルに先駆けて、内外装の仕様やオプションの装着イメージなどを3Dで見ることのできる3Dコンフィギュレーター機能が導入されているので、試してみては如何だろうか。
【AMWのみかた】
フロントマスクがグランドチェロキー譲りという、ブランド内のでデザイン統一が図られていることは、裏を返せば既視感があるために新規感に乏しくなってしまうという危うさもある。どれだけの人がコマンダーという新たな車種を認知してくれるかが、勝負だろう。
また、3列目シートはたまにしか使用されないことを考えると、車両価格500万円からランドローバー「ディスカバリースポーツD200 AWD MHEV」というコンペティターもあるため、販売は苦戦するかも。ちなみにディスカバリースポーツにはPHEVもラインアップされている。