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「ヨタハチ」に恋して「ユーノス・ロードスター」を新車購入! 新旧「NSX」も手にした車趣味人の到達した悟りの境地とは?

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 奥村純一/高桑秀典

「NSX」では新旧2台の乗り比べを楽しんだ

 残念ながらヨタハチの後継モデルとして期待されたトヨタのコンパクトFRスポーツ「S-FR」の開発は凍結されたが、それとは別に、疋野さんは後継モデルが登場した国産スポーツカーを新旧で愛用している。すでに旧いほうのモデルを譲ってしまったので、愛用していた、と記すほうが正しいが、新旧ホンダNSXを同時期に所有していたのだ。

「2014年に初代NSX、2017年に現行NSXの新車を買いました。初代のほうは1992年式でしたね。車名こそ同じですが、現行型はアメリカ設計でボディが大きく、買ってすぐに各部をオーバーホールした初代は小さくて乗りやすく、時代を感じさせる乗り味のスポーツカーでした。サードカー的な存在で、ずっと乗っていてもよかったのですが、欲しいと言ってきた人がいたので譲ってしまいました」

クルマ趣味の未来のため仲間をサポートしていく

 初代NSXを売ってしまった話を伺いながら、以前、疋野さんが自ら設けた5か条があったことを思い出した。それは何かというと、こういうことだ。

「とにかくクルマの愛好家がもっと増えるといいなと思っていて、1:旧車や特殊車のオーナーが愛車に相応しいガレージを設ける、もしくは借りるまでの間、室温と湿度が管理されたガレージを提供します。2:メンテナンスや修理スペースがなくて困っている趣味車のオーナーに冷暖房付きの室内ガレージを提供します。3:個人所有が困難な初代NSXをレンタルします。4:なんらかの理由で愛車を修理できないオーナーをサポートします。5:那須高原にある温泉つきの別荘を提供します。という5か条を設けました。それらをクルマ仲間が切り盛りしている各団体に提案しています。もちろん、すべて無料ですよ」と、かつて仰っていたのだ。

 さすがに現行NSXをレンタルすることはないと思うので、このうち第3条は現在無効となっているはずだ。しかし、なんらかの理由で愛車を修理できないオーナーをサポートすることは、いまでも続けている。

 俗事を超越し、悟りの境地で物事に臨むことを意味する「達観」という言葉があるが、自身のクルマ欲を満たしたことで他者を思いやる活動、いわば「利他行」に傾倒するようになった疋野さんは、自動車趣味界に新風を吹き込む特異な存在なのかもしれない。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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