30年の歴史の間でさまざまなトレンドが生まれた
カスタマイズの流行は、そのときどきの世相や流行りの新型車によってどんどん変化&進化していくもの。2022年現在であれば、アウトドアブームに乗っかって、オシャレな外観かつ車高をアップするアゲ系が流行りつつある。
そこで今回は、ワゴン&ミニバン&SUV専門のカスタマイズ誌である『ワゴニスト』が1994年に創刊してから現在まで流行ってきたドレスアップの手法を紹介。1990年代から順々にカスタマイズの流れを追いかける。今回はその第1回目。まずはアメリカンとスポーツスタイルに関して掲載する。
本場アメリカのカスタマイズがお手本!
まず紹介するのが「アメリカン」だ。次回の記事として紹介する予定の「ヨーロピアン」と並んで、ワゴニスト創刊当時から大流行りだった。一番活気があったのは1990年代から2000年代前半で、アメ車のカスタマイズを当時流行ったステーションワゴンで再現するのが一般的な手法。のちにミニバンでも派生し流行りまくった。
一番多かった定番例は鏡のごとくピカピカなメッキホイールに、メタル素材をそのまま切り出したかのようなビレットグリルなど、キラリと光るメッキパーツでコーディネイトする手法だ。もちろんビビッドな色使いのボディメイクもセオリーのひとつで、オシャレ感度の高いヒトたちから多くの支持を集めた。
アメリカを起源とするカスタムとしてアメリカンとおおざっぱに括ってひと口にいうが、ハイテックやローライダー、キャルルックなど、じつはカスタマイズジャンルは細分化されていて、その好みや方向性も全然違う。後にはそこから発展したスポコンにも注目が集まった。
ハイパワーなステーションワゴンが火付け役!
国産車では今では皆無に等しくなったのがハイパワーワゴンだ。以前は日産「ステージア」やスバル「レガシィ」、三菱「レグナム」などターボエンジンを搭載したハイパワーなエンジンをもつ車両が数多く存在した。
一番盛り上がったのが、1990年代前半〜2000年代前半だろう。チューニングカーが確立したセオリーがそのまま流用でき、クーペやセダンなどのベース車両から流用できる部品もあったのでチュー二ングパーツの選択肢が広く、例えば400ps越えのチューンドワゴンも実現可能になった。
さらにマフラー交換や吸気チューンなど手軽に始められるメニューが多いゆえに、間口が広くチューニングを志向する人口はどんどん拡大。しかも当時ハッチやクーペをチューンしていた独身層がファミリー層に進化し、その利便性を満たす魅力的なチューンドカーを完成させることができた。
今ではこのジャンルのベース車両はもちろんスポーツカーということになる。ハイパワーな国産ステーションワゴンというのは、見つけることができない。ハイパワーなベース車両に限ると、輸入車からしかチョイスできないのが残念なところだ。
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今回はミニバンとワゴンのカスタムとして、アメリカンとスポーツスタイルを振り返った1990年代に20歳代を過ごした人にとってはかなり懐かしい記事になったと思う。第2回はワゴニストでもド定番メイクとなった、ふたつのドレスアップ手法を紹介するのでお楽しみに。