スーパーカーの概念を変えた日本車
1990年9月、ミッドシップ2シーターのスポーツカーをホンダが発売した。みなさんご存知の「NSX」である。CA30A型V6、3Lエンジンを搭載したこのクルマは、スキルがない人でも普通に乗ることができ、プロドライバーが乗るととんでもない実力を発揮するという、懐の深さを持ったスーパーカーだった。
リトラの最終モデルとなるNSX
1997年2月には、平成12年排出ガス規制に適合したCA32B型V6・3.2Lエンジンが搭載され、型式がNA2へと変更された。CA30型エンジン搭載車がI型、このNA2はII型となる。その後NSXは、1999年9月のマイナーチェンジでIII型に進化し、2001年12月にはヘッドライトを固定式としたほか、エクステリア各部に変更を加えたIV型が登場し、2005年12月をもって生産終了となっている。
今回RMサザビーズオークションに出品されたのは、2001年6月に生産された「NSX-T」である。そのためこれはIII型ということになる。
Tというのは、タルガトップのこと。1995年に追加されたタルガトップモデルは、取り外し式のルーフを装備したことから、低下してしまうボディ剛性を補うために、バルクヘッドやルーフピラー、サイドシルを強化し、フロアにはクロスメンバーが追加されている。このIII型NSXの新車価格は、6速MTの通常モデルが920万7000円、タルガトップは1025万7000円だった。