外部電源ユニットで快適なワーケーションもOK
それだけじゃない。マルチボードを上段にセットし(ボード下の収納スペースの高さ435mm)、後席を格納すれば、マルチボードがテーブルに、格納した後席部分がベンチタイプのふたり掛けの椅子となり、アウトドアでの窓向きのテーブル席に変身。窓際のテーブル席、バックドアを開ければオープンテラス席として使え(どちらも雨天OK)、もちろんノートパソコンで仕事をするためのワークデスクとしてもぴったりだ。
しかも、スペーシア ベースには純正アクセサリーとして「外部電源ユニット」が用意されていて、オートキャンプ場の電源設備、あるいは自宅からスマートにAC100V電源を車内に引き込むことができ(窓やドアを少し開ける必要もなし。専用取り込み口がある)、車内で1500Wまでの家電品、パソコンなどを使うこともできるのだ(HVやPHVにあるAC100V/1500Wコンセントとは意味合いが異なる)!
アウトドアでなくても、自宅の駐車場で、自宅から電源を引き込んだ電源付きワークスペースとして活用できるのだから、一部屋増えたようなものである。まさに「新しい生活様式」が求められる時代に相応しい使い方ではないか。
多彩な収納スペースが用意されている
さらに、スペーシア ベースらしさとして、スペーシアのリヤクオーターウインドウ部分はパネル張り、その内側はリヤクオーターポケット(カラーコードは販売店オプション)となり、合計10カ所のユーティリティナットが設けられ、秘密基地感覚やギア感を増幅させてくれるのだ。また、スペーシアでオプション設定される天井のスリムサーキュレーターは、スペーシア ベースでは(後席の居住性を重視していないため)オーバーヘッドシェルフ(XFグレード)となり、物入れとして天井の高い車内を有効活用。車中泊でも、リヤクオーターポケット、スペーシアなどでおなじみの助手席シートアンダーボックスとともに、収納スペースとして大活躍してくれるはずである。
ドッグフレンドリーカーとしてもじつに優秀
そうそう、スペーシア ベースは愛犬家や愛犬にも最適なドッグフレンドリーカーとして認められる。大型犬の乗車であれば、後席部分を格納してフラットフロアにアレンジ(段差を埋めるフルフラットカバーも標準装備!)したうえで、TVCMにあるようにマルチボードを縦にセットして、前席/愛犬スペース/荷室の3ブロックにパーテーションすることができるのだ。これなら愛犬と荷物が同居することがなく、愛犬も安心してドライブを楽しむことができるはず。ちなみにスペーシア ベースの前席はスペーシアのセミベンチシートでなくセパレートシートとなるため、格納した後席部分に乗った愛犬とアイコンタクトができ、またエアコンの風も届きやすいというメリットまであるのである。
ちなみにわが家の小型犬のジャックラッセルのララは、後席をそのまま使い、そこにDOG DEPTのドライブベッドを固定して乗せてみた。人が座るのには不向きと言っていい軽商用車ならではの簡易シートだが、クッション性もあり、小型犬を乗せるには文句なしだったのだ(もちろん前席の飼い主とのアイコンタクト、エアコンの風通しもOK)。
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というわけで、スペーシア ベースは軽乗用車のスペーシアをベースに仕立てた、使い勝手抜群、アウトドア、車中泊完全対応の、スーパーハイト系軽商用車となるわけだが、エンジンはスペーシア カスタムと違ってNAのみ。しかし、2名乗車+アウトドアの荷物満載でも想定外によく走ってくれるから(ほぼスペーシアのNAモデルの軽乗用車感覚の性能だ)、アウトドアフィールドを目指すドライブにもしっかり対応してくれそうだ。具体的な目から鱗の走行性能については、あらためて試乗記としてお伝えしたい。