スバル4WDワゴンの始祖「レオーネ」
スバル「レオーネ」というクルマのことを覚えているだろうか。じつはスバルが誇るレジャー向けワゴンの歴史はここからスタートし、初代モデルは1972年に登場している。トラックベースで鍛え上げられた4WD技術を乗用車タイプにコンバートし、その後のスバルの4WD乗用車の先駆けとなった。
正式名称は「レオーネ4WDエステートバン」。日本の高度成長期にスキーやレジャーなど多目的に使えるマルチパーパスカーとして大ヒットした。
一目惚れで購入を決意!
今回ご紹介するのは1980年に登場した2代目レオーネだ。オーナーの金子真司さんが購入したのは今から2年前のこと。スバル本社のショールームを訪れたときにレオーネが展示されていて、それを見た奥様が気に入ってしまい購入を決意したそうだ。
レオーネのことはほとんど知らなかったそうだが、もともと旧車好きの奥様だったので、昭和車ならではのレトロな雰囲気の4WDワゴン車は、小さいボディで取り回しも良さそうだと一目惚れ。早速、中古車を探しはじめたと話す。
スバルのショールームに展示されていたのは、2代目レオーネといっても1981年にマイナーチェンジを受けてフロントマスクが角目4灯ヘッドライトに変わったモデルだった。
じつはこの形になってからエステートバンをベースに、全高も少しだけ高くした5ドアステーションワゴンが新たにラインナップに加えられている。その呼び名は我々がよく知るスバルを代表する「ツーリングワゴン」。つまり、このレオーネこそが元祖ツーリングワゴンの先駆けになったというわけだ。
クルマの説明はともかく、とにかく気に入ってしまった金子さんの奥さん。国内で中古車を探してもなかなか良い車体が見つからなかった。そこで、海外で探してみることに。
すると、アメリカ・コロラド州に程度の良い「レオーネ4WDツーリングワゴン」を発見。しかも、最終モデルとなる1984年式で、エンジンはターボ搭載の1800ccモデル。
とうぜん左ハンドルになるが、そこは気にならなかった。なぜなら、以前乗っていたクルマが初代アコードの左ハンドルだったからだ。それに、国内仕様よりも左ハンドルの輸出仕様の方が断然お洒落だし珍しい。はるばるコロラド州まで行って販売価格を交渉。少しふっかけられたが、無事に購入しロサンゼルスまでクルマを移動させた。
ちょうどその頃、現地でジャパンクラシックカーショーというイベントが開催される情報をキャッチし、そのまま試しに出展してみると、思いがけないことに2020年度のアワードを見事に受賞してしまったそうだ。