現在価格高騰中の80スープラ
1993年8月に発売され、2002年8月まで生産されたトヨタJZA80型「スープラ」。ご存知のとおり、JDMスポーツとして世界中で人気のモデルとなっており、中古車の価格は異常なくらい高額となっている。
グレード展開と新車当時の車両価格とは
スープラのグレード展開は、2JZ-GTEツインターボエンジンを搭載し、本革シートなど豪華装備を施した「GZ」がトップとなる。このGZは1996年4月まで発売されていた。
その下に位置するのが、同じくツインターボエンジンを搭載しつつ、豪華装備を省いた「RZ」。これにはレカロシートやスポイラー、ハイグレードなブレーキシステムなどが装備されていた。さらにシートをレカロ製ではないスポーツシートとするなどして価格を抑えた、「RZ-S」というグレードが1995年5月に追加された。
発売当時の価格は、4速ATのGZが455万円で、ルーフを取り外すことができるGZエアロトップはやはり4速ATで472万円。それに対してRZはゲトラグ製6速MTを搭載していて423万円となっていた。
RZ-Sが追加された1995年5月の価格は、GZが454万円でRZは436万円。それに対してRZ-Sは、6速MTで381万円とかなり安い。購入したらシートやブレーキ、駆動系はチューニングするから、ツインターボエンジンと6速MTさえ載っていればいいという人にとって、このRZ−Sはもっとも買いやすいグレードだったのだ。
ちなみにJZA80スープラには、2JZエンジンのNAモデルもラインアップされていた。SZやSZ-Rというグレードがそれで、こちらの価格は1995年当時、豪華装備のSZ-Rが315万円、ベースモデルのSZは284万円。NAエンジンかつ5速MTということから、走りの実力はRZなどと比べると一段落ちるが、スタイリングはスープラそのものということもあって、販売台数も多く、現在の中古車価格も高いものとなっている。
ほぼノーマル状態、走行距離8293キロの個体
さて、今回RMサザビーズオークションに出品されたのは、2002年式のJZA80スープラRZ-Sだ。生産されたのは2002年7月。ボディカラーはスーパーホワイトでファブリックのスポーツシートを装備している。ホイールは17インチのトヨタ純正アルミ製が、またブレーキキャリパーは純正4ポットが装備されている。
さらに、前後にクスコ製のカーボンタワーバーがセットされているほか、マフラーは砲弾型の社外品に交換されている。インテリアでは運転席左側にトラスト製油温計、ステアリングコラム上にはデジタル式の水温計がセットされている。
そんな、ライトチューンともいえないくらいの、ほぼノーマルのスープラRZ-Sは、2018年10月に香港のオーナーが日本のオークションで購入したものだ。走行距離は今回の出品時点で8293km。メンテナンスノートも付属しているため、状態の把握ができるという部分も含めて、エスティメート(予想落札価格))は8万〜12万ポンド(邦貨換算約1330万円〜1990万円)という強気な設定となっていた。
気になる2022年11月5日のオークションでの落札価格なのだが、エスティメートよりも低い6万9000ポンド(邦貨換算約1150万円)であった。もちろん、これでもかなりの高額なのだが、状態などを考えれば、もう少し高値がついてもいいのでは、と思わないではない。
もしかするとオークション会場がロンドンではなく、北米であったなら、落札価格も違うものとなっていたのかもしれない。